【動画】2016年6月に4歳の女児が陰部に重傷を負った靱(うつぼ)公園の噴水。事故後、水圧を下げたという=滝沢卓撮影

 大阪市営の公園で昨年夏、4歳の女児が人工池の噴水で遊んでいたところ、勢いよく出た水が陰部にあたり、重傷を負いました。噴水にどんな危険が潜んでいるのでしょうか。

 大阪府内に住む女児の父親(38)によると、女児は昨年6月、大阪市西区の靱(うつぼ)公園内にある人工池(深さ約20センチ)で父親とともに遊んでいた。池には、数十秒間隔で水柱を作る噴水があった。女児はパンツ姿で、水中にある噴き出し口をまたぐようにしてしゃがんだ。その直後、水が噴出。女児は「痛い!」と叫び、股を閉じて泣き始めた。パンツが血で赤く染まっていた。

 父親と近くにいた母親は女児を連れてタクシーで近くの病院へ。この病院では止血できず、別の病院へ救急搬送された。女児は止血手術を受け、4日間入院した。

 手術をした病院によると、パンツはやぶけておらず、傷は体の表面ではなく陰部の中だった。体内から小石などの異物も見つからなかったことから、水流による傷と判断。この病院の小児科医(33)は「水圧や水の角度、噴き出し口との距離などいろいろな条件が重なったことによるけがと思われる」と話した。父親は「水でけがをするとは思わなかった」。

 靱公園を管理する大阪市の大阪城公園事務所によると、池は立ち入り禁止で、貼り紙で「危険です 入らないでください」と注意を促していた。しかし、子どもでも容易に入ることができ、子連れでよく靱公園を訪れる女性(39)は「暑い日は10人以上の幼児が池で遊んでいる。手や足で噴水の噴き出し口を塞ごうとする子たちを見たことがある」と話す。

 日本小児科学会(東京都)のこ…

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