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【社会】

「自由に表現、今まで通りできるようにして」 9条俳句訴訟で作者女性訴え

 「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ俳句の月報掲載をさいたま市三橋公民館が拒否した問題で、作者の女性(76)が市に俳句の掲載などを求めた訴訟の第十一回口頭弁論が二十八日、さいたま地裁であった。女性が原告側証人として出廷し「どうして掲載できないのか、今でも納得できない」と訴えた。

 女性は、不掲載について市側から納得できる説明はないとして「このままだと何が間違いか正しいかうやむやにされ、同じことが起きるかもしれない」と話した。

 「梅雨空に−」の俳句については、集団的自衛権に反対する女性デモを詠んだもので、土砂降りの雨の中「平和を守りたい」と叫ぶ同世代の高齢者や赤子を背負う母の姿に、四歳で終戦を迎えた自身の思いが共鳴した−と説明。最後に「自由に表現するという当たり前のことが、今まで通りできるようにしてほしい」と裁判官に訴えた。

 掲載を拒否された当時、市の公民館運営審議会委員だった安藤聡彦埼玉大教授(社会教育学)も原告側証人として出廷し、市の判断について「法令に基づく根拠がなく理解できなかった」と振り返った上で、不掲載について「あってはならないことだ」と指摘した。

 

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