ユーロ圏では4月にインフレが上昇し、欧州中央銀行(ECB)が目標とする水準を回復した。基調的な物価上昇圧力も高まった。非伝統的措置の縮小開始を巡る議論に火をつけ、ECBが6月会合で政策変更を示唆する可能性が出てきた。

  欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が28日発表した4月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比1.9%上昇。3月の1.5%から加速し、エコノミスト予想の1.8%も上回った。食料やエネルギーなど価格変動の大きな項目を除いたコアインフレ率は1.2%と、これも予想を上回り、約4年ぶりの高い伸びとなった。

  ECB当局者らは27日の定例政策委員会で、経済見通しへのリスクはより均衡した状態に近付いたとの認識を示したものの、基調的な物価動向で確信できる上向きトレンドはまだ見られないと述べていた。この会合でECBは政策金利と国債購入ペースを据え置いた。

  エコノミストらはECBが量的緩和(QE)のテーパリングを比較的短期間で進め、これまでの想定よりも早く利上げに着手すると見込んでいる。6週間後のECB会合でフォワードガイダンスに変更があるのかが焦点となる。

原題:Euro-Area Inflation Picks Up as ECB Takes Baby Step Toward Exit(抜粋)

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