「名探偵コナン」(小学館)の漫画家・青山剛昌と、「ちはやふる」(講談社)の末次由紀という日本の漫画界を代表する二人による豪華対談が実現。若宮詩暢と大岡紅葉という、作品や出版社の垣根を越えキャラクター同士が対峙(たいじ)する、世界でたった一枚しかない貴重なコラボイラストを完成させた。
【画像】一度に持つペンの数にもご注目!イラスト制作中の青山剛昌&末次由紀
青山が「ちはやふる」の大ファンということから、実現した今回のコラボ。くしくもシリーズ最新作『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』のテーマは百人一首となっているが、これには末次も「ティザーを観た時にファンの子たちがざわついていて。『先生、大変ですよ。コナンに百人一首が!』という報告を聞いてから、楽しみにしていました」という。さらに「そしたら(かるたに関する)ものすごい関わりが深い単語が出てきて。これはもうしゃしゃり出たいと思って。コナンくんと平次くんを描いてスタンバイしていました。(その絵は)すぐに引っ込めちゃいましたけど」と笑いながら明かしてみせた。
今回、コナンの劇場版でかるたを題材とした理由として、「ちはやふる」が好きだからと語る青山。「『ちはやふる』も実写の映画をやった後だから、乗っかる感じでいいよねと思っていたら、(実写の)続編があると聞いて、ヤバいと思った」と笑いつつも、本作に登場する百人一首の高校生チャンピオン・大岡紅葉というキャラクターが、「ちはやふる」の人気キャラクター若宮詩暢をほうふつとさせることについて、「(遠山)和葉のライバルキャラは京都の子にしようと思っていたんです。名前も大岡にして。そこで映画に出そうかというところで、かるたが強いキャラにしようと。そうすると偶然、京都出身で、紅葉はクイーンではないけどそれくらいかるたが強いキャラになっちゃいました。すみません」と平謝り。末次も「そのうわさを聞いたときから、わたしのなかの詩暢がメラメラしています」と笑っていた。
その後は、若宮詩暢と大岡紅葉のコラボイラストを作成することに。色紙に向かって、直接イラストを描き始めた末次に対し、青山は「下描きしないの!? 特に横顔を描くとき、僕は下描きをしないと無理だな」と驚いてみせたり、そして次第に形になっていく若宮詩暢のイラストに「うまい……それ欲しいわ。詩暢ちゃん好きなんだよね」と完全にファン目線。そして「映画の紅葉の爪の柄は、『ちはやふる』で、千早がかなちゃんの家(呉服屋)に行って、飾られている着物に千早が『きれいだね』と言うシーンから来ています。これ描いてと言って。川があって、紅葉がピョンピョンと。『ちはやふる』ありきなんですよ」と明かすと、末次も「恐れ多い……」と恐縮しきり。
さらに「紅葉の着物(の柄)はお任せします」ということで、末次が着物の柄を付け加えることに。それには「(青山の)アシスタントになった気分」とウキウキした様子の末次。そして最後は「二人の間にバチバチも入れましょう」という末次の提案により、紅葉と詩暢の間に火花がバチバチ。青山も「すげえ、やるなぁ。こりゃ紅葉が負けそうだな」と語るなど、このコラボイラストを楽しんだ様子の二人だった。(取材・文:壬生智裕)
『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』は4月15日より全国公開