神大の移転計画「残念」 経済損失に不安も市長

 神奈川大学が横浜・みなとみらい21(MM21)地区に新キャンパスを開設する計画で、同大が平塚市土屋にある湘南ひらつかキャンパスから一部学科を移転する考えを明らかにしていることについて、市関係者から心配の声が上がっている。落合克宏市長は25日の会見で「残念ではあるが大学の利便性を図る『都心回帰』を止めることはできない」と一定の理解を示しながら、同大に出向いて今後の移転について確認する意向を表明した。

 同大の発表によると、新キャンパスは2021年4月に開設予定。湘南ひらつかキャンパスには経営学部と理学部があるが、新キャンパスには経営学部国際経営学科を移す考えで、将来的には全てを横浜キャンパス(神奈川区)と新キャンパスの2カ所に集約することも検討しているという。

 市によると、湘南ひらつかキャンパスには約4千人の学生が通い、そのうち約3分の1が市内在住者。市経済界の関係者は「家賃などで1人10万円かかるとして月に1億3千万円、1年では約16億円の収入がなくなり、アパートなど1300室が空室になる」と指摘する。地元経済が受ける影響も大きいとして危機感を募らせている。

 市は16年度に同大と13事業で連携し、里山再生や地域・人材の交流なども進めてきた。落合市長は「現段階で大学全体の構想の具体的な話はつかんでいない」とした上で、「市の人口減がようやく落ち着いてきたのに残念。何とかいろいろな形で(湘南ひらつかキャンパスを)使ってもらえる地域づくりをしていかなければ」と強調した。

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