民間調査機関の労務行政研究所によると、東証1部と2部のアンケート結果による昇給率は「2.14%」、金額にすると「6332円」でした。
アベノミクスで2%のインフレを目指していますが、現実としては思うように給料は上がっていません。
人手不足を訴える企業は増えていますが、企業側の財布の紐は堅く給料は上昇していかないようです。仕事の需要があって、企業側が労働者を集めることができなのであれば、給料を上げるなり労働環境を改善するなり、何かしら対策をしなくてはいけません。
昇給率が2%というと、額面30万円の場合は6千円、額面20万円の場合は4千円の昇給です。
1年間頑張って働いて月の給料がこの程度すら上がらないのであれば、頑張って働いた方が損をします。同じだけの労力を注ぎ込むなら、本業の仕事は必要最低限の労力で働き、インターネットでの収益化を目指した方が将来性はありそうです。
1年間頑張ると1~2万円の収益くらいなら稼げます。その後の2年間、3年間はどうなるかはわかりませんが。
専門的な知識をネットで配信している人は、1年間で10万円稼ぐサラリーマンもいるくらいです。もちろん割合としては多くはありませんが、そういう人がいるのも事実です。
出世したくない人は6割いる
最近思うことですが、この現実的な昇給額の数値を目の前にして、会社の給料が上がることを期待しているサラリーマンはどれくらいいるのかな?ということを思います。
サラリーマンは、多くのことを覚えて1年間苦労して働き続けるわけですが、それでも昇給するのはたったの6千円です。もちろん昇給しない人もたくさんいます。昇給しても税負担は増加する一方です。
1万円昇給しても社会保障費も増加したら、手取りに換算すると5~6千円の昇給です。
純粋に考えたら割に合わないなと思うようになります。昇給する一方で会社からの期待値は年々大きくなります。
わたしはこれ以上昇給しなくていいから、これ以上仕事の負担を増やさないでほしいと思うようになりました。その方が副業にもある程度力を注ぐことができるので、結果合理的な選択だからです。
世間では同じように考えている人は意外と多いようです。
株式会社クロス・マーケティングによる20歳~39歳の男女を対象とした「若手社員の出世・昇進意識に関する調査」によると、出世したくない20~30代は6割もいます。
出世したくないと思っている(15.8%)
出世にはあまりこだわっていない(43.4%)
できれば出世したいと思っている(28.8%)
絶対に出世したいと思っている(12.0%)
昇給額と仕事の負担を天秤にかけてみる
現実問題、重力のように重いこの昇給額と仕事の負担を天秤にかけると、昇進しなくてもいいと考えている人が半数以上いるということです。
これは賢い選択です。
30代後半、40代の出世に成功した社員を見ても、彼らが人生を楽しんでいるようにはどう見ても見えないからです。少なくともわたしが今まで見てきた場所では。
給料が多い代わりに、複数のプロジェクトを抱え、若手や外国人を使ってプロジェクトを進行し、上司からも常にプレッシャーを与えられ、毎日遅くまで働きます。ひとつのプロジェクトが完結したら、また次のプロジェクトを取りにいかなくてはなりません。
結婚してパートナーや子どもが居ても、晩御飯を食べる時間に家に帰ることはほとんどありません。デフォルトで9~10時、プロジェクトが忙しいときは11~1時という生活です。
どれだけ仕事ができてどれだけ優秀でも、1年間で長い休みは1週間しかありません。
稼いだお金はどこに消えているかというと、少し贅沢なマイホームと、少し贅沢な自家用車、少し贅沢な旅行、少し贅沢な外食、あとは子育てや家の生活用品代です。
こういう状況をまじまじと目の当たりにして、絶対に出世したい(12%)と思える方が少数で、できれば出世したい(28%)、出世にはこだわっていない(43%)というのは、ある意味当然の結果です。
天秤にかけた時にメリットの方が小さいからです。
少ない給料でプレッシャーを受けず、家族との時間を一緒に過ごす、空いた時間で副業をして稼ぐことができれば、いうことなしです。
贅沢な暮らしはする必要はなく、質素な生活でも十分。
月に6000円増やす方法はたくさんある
わたしも20代の頃は、昇進や昇給することを真っ先に望んでいました。頑張って仕事をすれば年収1000万円の夢ではないと本気で思っていた時期もあります。
しかし、冷静に考えて1年間頑張って仕事しても、月の平均昇給額は6000円、自分が周りのサラリーマンよりも2倍アウトプット量が多く、2倍多く働いて、2倍優秀だったとしても12000円だけです。
すべてを犠牲にして必死に働いても年収1000万円を超えるのは、わずか5%しかいません。
仕事に費やせる時間というのは限られているため、サラリーマンの仕事にどれだけ打ち込んでも限界が見えてしまいます。
もう少し視野を広げてみると、月に6000円収入を増やすためには、他の方法もあります。
①アルバイトで稼ぐ
②金融商品の配当金で稼ぐ
③インターネットで稼ぐ
アルバイトであれば800円の時給で月に8時間働けば達成できます。株式投資で月に6000円の不労所得を得るためには、3%の配当金が出る企業に250万円程度投資をすれば得ることができます。
ブログであればグーグルアドセンスで簡単に収益化をすれば、年にトータルで5万アクセスくらい稼げるようになれば達成できます。
アルバイトによる収益化は、サラリーマンと比較して仕事の責任やプレッシャーが増さない分いいのかもしれませんが、その分働いた分でしか収益を上げることはできません。
株式投資の場合は、年に250万円ずつ積み上げることができれば、実質働く時間はゼロなので生活はどんどん楽になっていきます。10年後には毎月6万円を働かずに手にするようになります。
ブログもストック型のビジネスなので、やればやるほど収益を生みやすい仕組みが生まれます。
生活水準を落とし、ブログのストック型ビジネスで長期で収益化を目指し、株式投資に資産を振り分けていくというのが、どう考えても理に叶ったやり方です。
仕事に必死に打ち込む同僚は哀れ
こうした選択肢を現実的に考えるようになると、本業の収入はむしろ上がらない方が人生では得をするのかもしれません。
実際にわたしの場合はこれ以上給料が上がらなくていいので、その代わりに仕事の負荷を増やしてほしくないと思っています。そういう気持ちとは裏腹に昇給するし、年齢を重ねるにつれて上司からのプレッシャーも増してきます。
これだけ給料払っているんだから、給料に見合った仕事をしろよという声が聞こえてきます。
同年代で必死に仕事に打ち込んでいる同僚を見ると、少し哀れな目で見てしまいます。仕事が楽しくてしょうがないのであれば良いのですが、そうではない人の方が大半です。
プライベートの時間も犠牲にして人一倍仕事に打ち込めば、昇進して給料は増えていきますが、その先に見えているものは明るい未来には見えません。
人によってどういう人生を歩みたいのかはそれぞれ異なりますが、何も考えることなしに昇進を目指しているのであれば哀れでしかありません。
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