お答えします
行政相談制度と国政オンブズマンの設置について
国政モニターの意見等(「国政オンブズマン」の設置について)
現在、川崎市など一部の自治体では、住民の行政に対する苦情を調査し、行政側に不備があればその改善を促す「公的オンブズマン」が設置され、行政運営の改善に寄与しております。一方、国政レベルで言えば、公的オンブズマンに似た制度として総務省の「行政相談」制度があり、行政相談委員を中心に国民の苦情等を受付けその解決を図っております。しかし、行政相談はオンブズマン制度と比べ、苦情処理体制が行政相談委員と総務省の二段体制であり、委員単独では比較的軽微な苦情しか処理できない上、苦情調査に対する判断結果等を「調査結果通知書」として明示し、調査実績を公表するといった説明責任の点についてもあまり十分とは言えないと思います。そのため、国は自治体の設置例を参考として国際標準的な「国政オンブズマン」を設置することにより、より効果的で国民の理解を得られる苦情救済制度が整うのではないかと考えます。
行政相談制度と国政オンブズマンの設置について(回答:総務省)
この度は、総務省の行政相談制度と国政オンブズマンの設置に関するご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。
総務省では、現在、各都道府県所在地などに設置している全国50か所の管区行政評価局・行政評価事務所と、総務大臣から委嘱された全国約5,000人の行政相談委員により国民からの苦情を受け付けています。これには、総務省の行政相談が始まった当時は、相談に応ずる窓口は総務省とその出先機関に限定されており、多くの国民にとって相談するには地理的に不便だったこと、また、苦情があっても、一般の国民にとっては、気軽に相談を持ちかけるには役所は敷居が高いという国民感情もあったことから、行政相談窓口を地域住民の中に置き、民間の有識者が相談に応じることができるよう、無報酬のボランティアとして全国に行政相談委員を置くこととなったという経緯があります。
現在、行政相談委員には、各市区町村において、相談者に対する必要な助言や相談者からの苦情を関係行政機関等へ通知するといった業務を地域に根ざして幅広く行っていただいています。また、行政相談委員が受け付けた苦情のうち、行政機関等にあっせんを必要とするような解決が難しい相談については、管区行政評価局・行政評価事務所が行政相談委員と連携しながら、管区行政評価局・行政評価事務所において解決の促進を図っています。
さらに、総務省には、公平な第三者として高い識見を有する民間有識者で構成された行政苦情救済推進会議を置き、総務省に寄せられた苦情のうち、行政の制度及び運営の基本に関するもので法令の改正等をしなければ解決できないような困難な事案は同会議に付議し、その意見を踏まえてあっせんすることにより、国民的立場に立った苦情の救済に努めています。
このように、総務省の行政相談は、民間人のボランティアである行政相談委員と一体となり、さらに、行政苦情救済推進会議において外部の民間有識者の知見も踏まえ、オンブズマン的機能を果たして苦情の解決を促進しており、この点が諸外国におけるオンブズマン制度と同様の機能を発揮していると国際的に認識されています。
また、総務省で受け付けた約17万件の相談事案の件数内訳、代表的な相談解決事例及び行政苦情救済推進会議に付議した事案は総務省のホームページで公表しています。行政相談は秘密厳守としているため、個々の苦情への回答については公表しておりませんが、相談者に対しては、相談への対応処理結果について丁寧な説明を行い、理解を得るよう努めております。
総務省の行政相談は、今後も引き続き、苦情の適切な処理を図ってまいりますので、ご理解をいただきますようよろしくお願い申し上げます。
関連情報
- 行政相談とは(総務省ホームページ)
- 行政相談の実績(総務省ホームページ)
- 行政相談の解決事例(総務省ホームページ)
- 行政苦情救済推進会議の検討結果を踏まえたあっせん事例(総務省ホームページ)
- 国の行政に関する苦情、意見・要望は「行政相談」をご利用ください(政府広報オンライン)
問い合わせ先
内閣府政府広報室 国政モニター担当 03-5253-2111(代表)