2月の倉庫火災を受け、急成長を続けてきたインターネット通販アスクルの業績に急ブレーキがかかった。いまだに遅配や欠品が続き、3月の売り上げは半減。完全復旧は9月末までかかる見通しだ。ネット通販の競争激化に伴い倉庫は一様に大型化する傾向にあり、ひとたびアクシデントに見舞われれば影響の長期化は必至だ。同業他社にとっても文字通り“対岸の火事”では済まされない。
「多大な迷惑をお掛けして申し訳ない」。4月5日、都内で開かれた決算説明会の冒頭、アスクルの岩田彰一郎社長は、沈痛な面持ちで陳謝した。
埼玉県三芳町の物流倉庫で起きた火災の損害見込額は101億円。このあおりで、平成28年6月〜29年2月期の同社の連結決算は、最終損益が29億円の赤字(前年同期は44億円の黒字)に転落した。
営業活動や業績への影響は長期化が避けられない。火災以降、日用品や食品を扱う個人向けの通販「LOHACO(ロハコ)」で遅配や欠品が続く。「当日配送」がサービスの売りの一つだったが、4月下旬時点で遅配は4日と、火災発生から2カ月経っても解消されていない。一部商品では欠品も続く。
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