全長8メートル 国内最大 恐竜の全身骨格
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北海道むかわ町で見つかったハドロサウルス科の恐竜の化石の調査が進み、全身骨格が報道関係者に公開されました。研究グループによりますと、頭部から尻尾までの長さがおよそ8メートルと推定され、国内で発見された恐竜の全身骨格としては最大だということです。
北海道むかわ町では、およそ7200万年前の白亜紀後期の地層から、植物を食べるハドロサウルス科の恐竜の化石が見つかり、北海道大学総合博物館の小林快次准教授と地元の穂別博物館の研究グループが4年前から本格的な発掘調査などを進めています。27日は、調査で明らかになった全身骨格が報道関係者に公開されました。
研究グループによりますと、頭部から尻尾までの全長がおよそ8メートル、腰までの高さがおよそ3.5メートルと推定され、国内で発見された恐竜の全身骨格としては最大だということです。
また、恐竜が最も栄えた「白亜紀後期の化石」で頭部から尻尾までの全身がそろうのは国内で初めてで、「植物食の恐竜」の全身骨格が見つかるのも国内初だということです。
小林准教授は「恐竜が繁栄した時代の詳しい生態や環境を知る重要な手がかりになる」と話しています。この化石は、ことし6月の4日と11日に、むかわ町内の施設で一般公開が予定されています。
研究グループによりますと、頭部から尻尾までの全長がおよそ8メートル、腰までの高さがおよそ3.5メートルと推定され、国内で発見された恐竜の全身骨格としては最大だということです。
また、恐竜が最も栄えた「白亜紀後期の化石」で頭部から尻尾までの全身がそろうのは国内で初めてで、「植物食の恐竜」の全身骨格が見つかるのも国内初だということです。
小林准教授は「恐竜が繁栄した時代の詳しい生態や環境を知る重要な手がかりになる」と話しています。この化石は、ことし6月の4日と11日に、むかわ町内の施設で一般公開が予定されています。
白亜紀後期に生息 植物食べる大型恐竜
ハドロサウルス科の恐竜は、およそ1億年前から6600万年前の白亜紀後期に生息した植物を食べる大型恐竜で、大きなものでは体長が10メートル以上にもなります。その化石は、アジアや北アメリカなど世界各地で見つかっていて、この時代に非常に繁栄したことがわかっています。昭和9年に当時の樺太、今のサハリンで日本人が初めて化石を発掘した恐竜ニッポノサウルスも含まれます。
ハドロサウルス科の恐竜は、大陸の間を移動しながら進化していったと考えられ、今回の研究グループは、全身骨格が見つかったことで、恐竜が多様化し、最も進化した時期の生態の解明などにつながると期待しています。
ハドロサウルス科の恐竜は、大陸の間を移動しながら進化していったと考えられ、今回の研究グループは、全身骨格が見つかったことで、恐竜が多様化し、最も進化した時期の生態の解明などにつながると期待しています。
地元のボランティアが研究支える
今回の発見では地元のボランティアも、繊細さが求められる作業に携わるなど、研究を支えてきました。
化石の愛好家で中学校の元教諭、村上隆さん(76)は、おととしからボランティアとして作業に携わってきました。恐竜の骨の化石は、ほとんどが岩石に包まれた状態で見つかるため、研究に使うには岩石を取り除く「クリーニング」と呼ばれる作業が欠かせません。かつて地元の穂別博物館に勤務したこともある村上さんは、苫小牧市にある自宅に妻を残してむかわ町内に1人で暮らし、博物館の嘱託職員などとともに本格的にクリーニングの作業に加わっています。岩石は固く、力を入れすぎると中の化石を傷つけたり割ったりしてしまうため、村上さんは指導を受けながら顕微鏡を使うなどして丁寧に取り出す方法を習得、指先の繊細さが必要となる作業を続けてきました。
27日、むかわ町で、並べられた化石の全身骨格を見た村上さんは「恐竜の立ち上がった姿が浮かんでくるようです。自分がクリーニングした部分がいとおしい」と話していました。これまでにクリーニングが済んだのは化石全体の5割から6割程度で、村上さんは引き続き作業に携わっていくことにしています。
化石の愛好家で中学校の元教諭、村上隆さん(76)は、おととしからボランティアとして作業に携わってきました。恐竜の骨の化石は、ほとんどが岩石に包まれた状態で見つかるため、研究に使うには岩石を取り除く「クリーニング」と呼ばれる作業が欠かせません。かつて地元の穂別博物館に勤務したこともある村上さんは、苫小牧市にある自宅に妻を残してむかわ町内に1人で暮らし、博物館の嘱託職員などとともに本格的にクリーニングの作業に加わっています。岩石は固く、力を入れすぎると中の化石を傷つけたり割ったりしてしまうため、村上さんは指導を受けながら顕微鏡を使うなどして丁寧に取り出す方法を習得、指先の繊細さが必要となる作業を続けてきました。
27日、むかわ町で、並べられた化石の全身骨格を見た村上さんは「恐竜の立ち上がった姿が浮かんでくるようです。自分がクリーニングした部分がいとおしい」と話していました。これまでにクリーニングが済んだのは化石全体の5割から6割程度で、村上さんは引き続き作業に携わっていくことにしています。