台湾に住み始めてからとてもつもなく疑問に思うことの1つが、なぜ日本人は九份のことが好きなのか。
今回は、その理由の考察と台湾人から見る九份の印象など旅行会社のプランには載っていないリアルな九份の一面をお伝えします。
九份ってどんなところ?
台湾の九份について知らない人のために、九份という場所がどんなところか簡単に説明します。
九份は台北近郊あり、台北からだと直行バスで約1時間、電車とバスを利用した場合は約1時間半で行くことができる日本人にとっては超有名観光スポットです。
台湾の観光ガイドブックはもちろん旅行会社が作成する台湾旅行プランではもっとも推薦されている場所と言っても過言ではありません。
観光シーズンは日本人で溢れかえります。
なぜ日本人は九份が好きなのか?
出典:”千と千尋”のモデルになった「百段階段」の迫力が凄まじい - NAVER まとめ
日本人が九份を好きな理由はたった1つです。
それは九份がジブリ映画「千と千尋の神隠し」の舞台に似ているからです。
旅行会社の戦略
出典:【H.I.S.】ナイト九ふん観光と夜市散策(軽食付き) | 海外現地オプショナルツアー予約
そして九份人気に拍車をかけたのが日本の旅行会社です。
旅行会社としても売りやすかったのか、九份が千と千尋の神隠しに似ているとの認識が広がってから旅行会社が作成する台湾の旅行プランでは必ずと言ってもいいほど九份を推薦しています。
さらに台北のツアーだとほぼ九份に行くプランが組み込まれています。
日本人は旅行会社のツアーを使って旅行をするという人が多いので、そのツアーで九份に行った旅行者の口コミ等でさらに有名になり、今では日本人が1度は足を運ぶ超有名観光スポットになったと推測しています。
ジブリ公式が九份を否定
しかし残念ながら千と千尋の神隠しを作成したジブリの宮崎駿監督が公式に九份は千と千尋の神隠しの舞台ではないと否定しています。
宮崎監督は「千尋が迷い込む異界〈霊々の世界〉について、うかがいたいのですが」と聞かれたことに対する返答で、「あれは日本そのものです。ついこの間まであった紡績工場の女工たちの部屋とか、長期療養所の病棟とか、みんな千尋が暮らす湯屋の従業員部屋のような、ああいうものだったんですよ。日本は少し前までああいう感じだったんです。描いていて懐かしかったです。」と言っています。
出典:【台湾の九份&某旅館はモデル・舞台ではありません】ジブリのデマのまとめ【千と千尋の神隠し】 - NAVER まとめ
上記の宮崎駿監督の発言通り千と千尋の神隠しの舞台は日本であり台湾の九份ではありません。
推測ですが、昔ある日本人がたまたま九份を訪れた際に九份が千と千尋の神隠しの舞台に似ているとの勘違いから発生した情報が広がったのが原因だと思います。
私が見たリアルな九份
私も妻と2度九份を訪れたことがあります。
一言で感想を言うのであれば「夜景が綺麗なだけのただの田舎」です。
九份自体かなりリッチが悪い場所にあり直行バスかタクシーで行く以外の方法で行こうとすると本当に大変です。
特に九份からの帰りは団体のツアーでバスで来た人以外は、観光客向けと名乗ったぼったくりタクシーを使わざる負えないほど移動手段が少ないです。
そして九份自体も日本人の観光客向けに作ったのかと思うほどお土産の店ばかり。
あとはJTBやHISなど日本の旅行会社が連れてきた日本人で溢れかえっています。
なので台湾なのに九份に行くと日本語しか聞こえません。
個人的な感想ですが九份はめちゃくちゃつまんないです。
台湾人から見た九份
妻を筆頭にこれまで台湾人の友人にも九份について質問を投げたことがありますが、台湾人からすると九份には全く魅力がなく有名な場所でもないとのことです。
そしてみな揃って「九份には、なにもないからできれば行きたくない」と話していました。
仮に九份に行くとしても日本人の友人が台湾に来た時だけだそうです。
まとめ
通常観光スポットは海外から来る観光客はもちろん現地の人にとっても人気な場所が多い中、これほど現地の人と観光客との温度差が激しい観光スポットは稀です。
台湾に初めて行く人であれば、経験という意味で1度は行くのもありですが、2度目はおすすめしません。