[PR]

 絶滅の危機にあるとされる太平洋クロマグロ(本マグロ)の幼魚(重さ30キロ未満)を、日本の漁業者が昨年から今月27日までに取った量が4008トンになり、国際合意で定められた日本の上限(年4007トン)を突破した。水産庁が速報値として発表した。

 上限を超えた分は、7月からの次年の枠から差し引かれる。定置網など、魚種を選べない漁の結果、クロマグロの幼魚が取れてしまうこともあり、さらに増える可能性が高い。

 クロマグロをめぐっては昨年以降、承認を受けていない漁船が水揚げするなどの漁獲規制違反も、国内で相次いで発覚している。

 クロマグロは高級なすしネタとして人気が高く、幼魚はそのまま食べるほか、養殖で育てるためにも取られている。北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)の推定によると、1961年に16万トンあった親魚の資源量は、近年は1万トン台に減っている。

 来年からはこれまでの自主規制から罰則のある制度に変わる予定だが、より実効性のある取り組みが求められそうだ。