今日は珍しく活動できた1日!
美術館で現代写実絵画を鑑賞し、その後、弦楽器の生演奏を聴いてきました。
どちらも本当に素晴らしく、時間が経つのを忘れて見入って(聴き入って)しまいました。
どうしたらこんな写真みたいな絵が描けるのか、心に響く音楽が奏でられるのか、凡人の私には不思議でなりません。
画家さんは絵を描いているとき、音楽家さんは楽器を演奏しているとき、その行為に没入しているんだろうな、と想像しました。
そして、「Flow(フロー)」という心理学用語を思い出しました。
ハンガリー出身の心理学者チクセントミハイ先生が提唱したものです。
「Flow(フロー)」とは
何か得意なことをしているとき、時が経つのを忘れて、活動そのものに浸りきっている経験をしたことはありませんか?
それが「Flow(フロー)」です。
そのときは、集中力が高まり、時間も忘れ、いわゆる忘我の状態になります。
行為に熱中して、快感が最高潮に達し、我を忘れた状態です。
「Flow(フロー)」について、Wikipediaでは、このように定義しています。
フロー (英: Flow) とは、人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。
チクセントミハイ先生によれば、「Flow(フロー)」は、
- その活動に関する技術を持っていること
- その活動の難易度がちょうど良いこと
の両方が備わった状態のとき起こります。
たとえば、
- 画家が挑戦しがいのあるテーマの絵に挑戦しているとき
- 音楽家が自分ができるぎりぎりの難しい曲に挑戦しているとき
- スポーツ選手が必死の攻防を繰り広げているとき
- ゲーマーがもう少しでクリアできそうなゲームをしているとき
- やや困難だが得意とする仕事に打ち込んでいるとき
などがそれに当たりますね。
時間の観念がなくなり、ただその活動に没入してしまいます。
その活動に関する自分の技術に比して、課題が難しすぎても易しすぎてもいけません。
図で示すとこんな感じです。
ちょうど右上の状態の時、「Flow(フロー)」は起こりえます。
※出典はこちらのTEDという番組です。
うつ病さんにも「Flow(フロー)」は訪れるはず!
主治医の先生は、
「今は、楽しいと思えることをしていきましょう。」
とよく言ってくださいます。
この「楽しいと思えること」って、「Flow(フロー)」に近づけるような行為のことかな、と思いました。
うつ病さんは、得意だったことがあっても、一時的にスキルが下がってしまっているかもしれません。
意欲が下がり、何かに挑戦することに及び腰になってしまっていることも多いでしょう。
そんな中でも、上記の
- その活動に関する技術を持っていること
- その活動の難易度がちょうど良いこと
を満たす行為は見つかるはずです。
以前のあなたと少しスキルが違ってしまっているかもしれませんが、その場合は、難易度を調節すれば良いだけです。
集中力が落ちてしまっているので、「Flow(フロー)」に到達するのは少し時間を要するかもしれませんが、以前得意だったこと・好きだったことに取り組んでみることは、本来のあなた自身を取り戻す良いきっかけになるはずです。
たとえ「Flow(フロー)」に至れなくても、以前その活動をしていたときの心地よさを思い出し、幸せな気分になれるかもしれません。
「Flow(フロー)」を味わうには、必ずしもプロレベルの高い技術が要るわけではありません。
あなたが少し得意なことを、難易度のバランスを調節しながら、楽しんでみてください。
やっているうちに、気づいたら、忘我の中にいるかもしれません。
それは、日頃ネガティブな思考の渦に巻き込まれているうつ病さんにとって、オアシスのようなひとときになるに違いありません。
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