朝日新聞の慰安婦報道めぐる裁判 原告敗訴

朝日新聞の慰安婦報道めぐる裁判 原告敗訴
朝日新聞が過去に報道した慰安婦問題の記事をめぐり、アメリカに住む日本人などが謝罪広告の掲載などを求めた裁判で、東京地方裁判所は、「国際社会への影響を具体的に特定するのは極めて困難だ」として、訴えを退ける判決を言い渡しました。
朝日新聞は、3年前、慰安婦問題をめぐって、過去に取材した男性が「慰安婦を強制連行した」と証言していたのは虚偽だと判断したとして、記事を取り消したり、訂正したりしました。

これについて、アメリカに住む日本人など2500人余りが、「長年、訂正しなかったことで、誤解と偏見に基づく国際世論を定着させた」などとして、朝日新聞に対して謝罪広告の掲載などを求めていました。

27日の判決で東京地方裁判所の佐久間健吉裁判長は、「記事の掲載が国際社会の認識に何らの影響をも与えなかったとはいえないが、原告が主張するような内容に収れんされているとまではいえず、多様な認識が存在している。どのような要因がどの程度影響しているかを具体的に特定するのは極めて困難だ」として、訴えを退けました。