他人の家の無線LANを勝手に使う「ただ乗り」を電波法違反罪に問えるかどうかが争われた刑事裁判の判決で、東京地裁(島田一裁判長)は27日、被告の男が入手した無線LANの暗号化鍵について、電波法が無断使用を禁じる「無線通信の秘密」に当たらず、ただ乗りは無罪とする判断を示した。
事件は、無線LANのただ乗り行為が立件された初のケースだった。無線LANの普及が急速に進む中、ただ乗り行為を取り締まる新たな法整備が求められそうだ。
男は、松山市の無職、藤田浩史被告(31)。不正アクセス禁止法などの罪にも問われており、判決は懲役8年(求刑懲役12年)とした。
判決によると、被告は2014年6月、無許可で無線局を開設し、近所の男性方の無線LAN電波を盗用してインターネットに接続。他にも14年2~6月、銀行の偽サイトに誘導するメールを不特定多数に送信し、取得したIDやパスワードを使って別口座に計約500万円を不正送金した。〔共同〕