桑原武夫さんの蔵書1万冊余を廃棄 京都市立図書館

桑原武夫さんの蔵書1万冊余を廃棄 京都市立図書館
京都市の市立図書館が、フランス文学者で文化勲章受章者の故・桑原武夫さんの遺族から寄贈を受けた、1万冊余りの蔵書をすべて廃棄していたことがわかり、京都市は遺族に謝罪しました。
文化勲章受章者で京都大学名誉教授を務めたフランス文学者の桑原武夫さんが、昭和63年に83歳で亡くなった際に、遺族から桑原さんの蔵書1万冊余りが京都市に寄贈されました。

京都市によりますと、蔵書は市立の右京中央図書館が管理を担当し、市内の別の図書館の倉庫に保管していましたが、おととし12月、改修工事のため保管場所がなくなったなどとして、右京中央図書館で当時、副館長を務めていた女性の判断で、すべて廃棄したということです。

副館長は、桑原さんの蔵書であることを知っていましたが、大半が一般の蔵書と重複し、桑原さんの蔵書の目録を保存しておけばよいと考え、遺族の了解をえないまま廃棄の判断をしたということです。

ことし2月に、蔵書に関する外部からの問い合わせを受け、廃棄の事実がわかりました。

京都市は、遺族に謝罪するとともに、当時の副館長を減給6か月の懲戒処分にしました。

京都市によりますと、市の謝罪に対して遺族は「残念です」と話していたということです。

京都市の在田正秀教育長は「ご遺族はもとより、寄贈にご尽力いただいた関係者と市民の皆様に心からおわび申し上げます」とコメントしています。