無線LAN「ただ乗り」無罪判決

他人の家に設置された無線LANの通信を暗号化する「鍵」を解読し、無断でインターネットを使ういわゆる「ただ乗り」が電波法違反の罪にあたるかどうかが争われた裁判で、東京地方裁判所は、「鍵」を解読することは電波法で罰せられる行為ではないとして、無罪を言い渡しました。
松山市の無職、藤田浩史被告(31)は、他人の家に設置された無線LANの通信を傍受して、暗号化する「鍵」を解読し、無断でインターネットを使う「ただ乗り」をしたとして電波法違反の罪に問われたほか、銀行のサーバーに不正に取得した企業の情報を使って侵入した不正アクセス禁止法違反の罪などに問われました。
被告側はいずれも無罪を主張し、インターネットの「ただ乗り」については、無線LANの「鍵」の解読は、電波法違反の罪にはあたらないと主張していました。
27日の判決で、東京地方裁判所の島田一裁判長は「電波法では『無線通信の秘密』を盗んで使用した者は罰せられるが、無線LANの『鍵』は暗号化された情報を知るための手段に過ぎず、無線通信の内容だとはいえない」と指摘し、無罪を言い渡しました。
今回は、無線LANの「ただ乗り」で初めて検挙されたケースでした。
一方で、不正アクセス禁止法違反の罪などについては有罪とし、被告に懲役8年を言い渡しました。