中国第2の空母が進水 国産初で軍事力拡大
北朝鮮情勢が緊迫し、周辺国の領有権をめぐる南シナ海の対立も続くなか、中国政府は26日、遼寧省大連の乾ドックで建造していた初の国産空母を進水させた。
中国にとって「遼寧」に次ぐ2隻目の空母。これまでの報道では、2020年までの就役を目指すと言われてきた。
国営新華社通信によると、2013年に建造を始めた新空母の艦名は未定という。
進水式には、人民解放軍制服組トップの范長竜・中央軍事委員会副主席が出席。新華社によると、ラウドスピーカーから「素晴らしい愛国歌」が流れるのをバックに関係者が船首でシャンペンのビンを割り、周囲の艦艇も祝意の霧笛を鳴らした。
中国国防部によると、艦載機は瀋陽J-15戦闘機などの予定で、動力は原子力ではなく通常エンジン。
中国はこれまで、25年以上前に建造されたソ連時代の空母をウクライナから購入し、改修して使っていた。
新しい空母はこの「遼寧」よりはるかに最新式のものだと言われている。しかし、BBCのスティーブン・マクドネル中国特派員によると、多くの軍事ウォッチャーは、米軍が使用する空母10隻に比べると技術的に劣っていると指摘している。
中国は経済成長と共に、軍備の刷新を推進してきた。その一方で3月には今年の軍事予算は前年比7%増に留めると発表。大幅な軍事費拡大を20年近く続けてきた中国が、増分を10%未満に抑えたのは2年目となった。
中国の国防費は米国より少なく、2017年の国防費は国内総生産(GDP)見通しの1.3%となるのに対して、米国は同3%に達する。また米国経済の規模は中国よりも大きいため、実質的には巨額の差がある。
ドナルド・トランプ米大統領は、国防費10%増を提案している。
(英語記事 China launches aircraft carrier, boosting military presence)