7年前も講習会で雪崩 注意喚起も内容は見直されず

7年前も講習会で雪崩 注意喚起も内容は見直されず
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栃木県那須町で、登山訓練の講習中に高校生らが雪崩に巻き込まれ8人が死亡した事故で、7年前の講習会でも生徒が雪崩に巻き込まれ、当時、引率した教員の間で注意喚起が行われたものの、その後の講習会の内容は特に見直されなかったことが教員などへの取材でわかりました。県は、過去の事故の教訓が生かされていないと見て、引き継ぎが十分だったのか調べることにしています。
先月27日の朝、栃木県那須町の茶臼岳で、登山訓練の講習中だった7つの高校の山岳部の生徒らが雪崩に巻き込まれ、生徒ら8人が死亡、40人がけがをし、警察は業務上過失致死傷の疑いで調べています。

7年前の同じ講習会でも、今回の雪崩が起きた場所の近くにある郭公沢で雪崩が起き、生徒が巻き込まれていたことがわかっていますが、当時参加した教員の間で雪崩への注意喚起が行われたものの、よくとし以降、講習会の内容や開催場所は、特に見直されなかったことが教員などへの取材でわかりました。
また、この事故の報告は、県の教育委員会には行われませんでした。

当時、引率した教員の1人は「参加した教員が集まり、注意喚起があり、生徒にも周知した。県の教育委員会への報告は責任者の教員が行ったと思っていた」と話しています。

県が設置した事故の検証委員会は、過去の事故の教訓が生かされていないと見て、報告や引き継ぎが十分だったのか調べることにしています。

7年前の引率教員 初めて証言

7年前の登山訓練の講習会で生徒を引率していた教員が当時の状況を初めて証言しました。

7年前の雪崩は、講習会の2日目の昼ごろ、栃木県那須町の茶臼岳の郭公沢付近で発生しました。

雪の上での歩行訓練や、滑落に備える訓練などを班ごとに行っていて、雪崩に巻き込まれたということです。

その時の状況について、この教員は「無線を通じて『雪崩があった』と連絡があり、緊迫した状況になった。けが人はいなかったが、10人ほどの生徒が巻き込まれ、顔まで雪に埋まった生徒がいたり、ピッケルなどの装備が流されたりした」と話しました。

また、その後の対応について、「教員どうしで集まって、雪崩があったという報告と、注意喚起が行われた。参加した生徒たちにも雪崩に気をつけようと改めて注意した」と話しました。

しかし、事故の報告は県の教育委員会には行われず、よくとし以降の講習会の内容や開催場所は特に見直されませんでした。

男性は「県の教育委員会への報告は責任者の教員が行ったと思っていた」と述べました。一方で、雪崩の教訓から訓練内容を変えるべきだったかについては、「それまでも雪崩に対する注意喚起は十分やってきたので、過去に雪崩があったからといって、訓練内容をどう変えるべきかわからない」と述べました。