調子に乗って「100人中1人も知らないクラシック」シリーズ。
今回はハンス・ロット。

ブルックナーに弟子入りし、マーラーと親交を結び、その二人から才能を認められたにもかかわらず、当時の楽壇からはクソミソに扱われ、発狂し夭折した天才。

思えばブルックナーもマーラーも苦労したからなぁ・・・。
浮ついた時流に耐えるのが本当の芸術家。それはいつでも同じ。


しかしこの「交響曲第1番」、20歳の作品とは思えない。
ワーグナーやブルックナーの影響はもちろんあるが、非常に北欧的で、シベリウスを思わせる透明感だ。
いろんな作曲家の「1番」にありがちな、粗削りさや舌足らずなところがない。
まぁ確かに強い個性はないかも知れないけどね・・・もっと聴きたかったなぁ。


因みに映画『マーラー』にも彼は登場する。
完全に狂ってうずくまる彼の頭にマーラーはそっと手を置き、こう呟くのだ。

「いつかわれわれの時代がくる」