2017年04月27日

簡単に投資信託を買ってはいけない。金融の勉強のススメ

ある程度お金に余裕がある人や、なくても投資をしたい人の中には、投資信託を考える人がそれなりにいると思います。証券会社や銀行なんかは、投資信託なんていかがでしょう?とか簡単に言ってきますが、基本的には彼らが儲かるからいうだけであり、実際に顧客が儲かるかどうかは全く別の話です。

ここでは、証券会社と投資信託の基本的な儲けの仕組みと、なぜ簡単に買ってはいけないかを解説し、じゃあどうすればよいの?ということを記載します。

まず、証券業界の基本的な儲けのしくみから説明することにします。

証券会社は、株式の場合、株式の売買の際に発生する手数料でほとんど稼ぎます(昔は口座管理料などあったが今はほぼない)。よって、買って売らずにずっと持っている人は、証券会社にとって、儲かる顧客ではありません。儲かろうが損しようが、売買を繰り返す顧客が儲かる顧客です。
売買の際の手数料はネット証券会社の競争により、どんどん下がっております。よって、ネットでの売買は、正直そんなにもうかりません。対面や電話の場合は、そこそこで、地方や年配の方はわりと使われますので、まだ残っています。


この仕組みは、投資信託でも近いです。ただし、投資信託の場合、信託手数料や売買時の手数料が高めにかかります。だいたい、一年間の手数料は0〜3%、売買時の手数料は各1%程度のことが多いでしょうか(商品ごとに違うので要確認ポイントです)。それに加えて、投資信託の構成を変える際には売買をするので、その際にも手数料は入っているでしょうし、途中で解約する際には、別途手数料がかかります。ネットで安めに買えるものもありますが、運用する際には人件費などがかかりますので、仕組み上、どこかでとられるようになっています。投資信託は証券会社にとって、儲かる商品です。

一般に、株などの運用は難しいので、専門家に任せておけばよい、と思う人も結構いるかと思いますが、私は、それは間違っていると思っています。

なぜなら、本当に運用がうまい専門家を見つけること自体が難しいからです。
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日本株を例に出せば、日経平均やTOPIXがありますが、それに連動しつつ、パフォーマンスをあげる投資信託を、インデックス(指標)型と言います。これが、わりと多いのですが、これの弱点は、日経平均等が下がれば当然下がる、ということです。
顧客が運用失敗に対して怒った時に、日経平均が落ちたから下がるのは仕方がない、という言い訳ができるので、こういう形の商品は、証券会社側に好まれます。わりと顧客から見てもわかりやすいのでそこそこ売れます。
この手の商品は、日経平均が50%落ちれば、50%近く落ちますが、それはもちろん自己責任とされます。
下がっても、運用担当者は全然悪くない、むしろ日経平均よりも下落率が低ければほめろ、といわんばかりです。銀行に預けておけばそもそも下がりはしないんですがね。。。


これとは違い、ハイリスクハイリターンの投信もあります。この場合、下がっても顧客はあまり怒れません。運用結果も、すごく良くなる場合もあれば、悪い場合もあります。こういったもので、運用実績が良くないものを好んで買う人が結構いるようです。基準価額(投信運用開始時の価格)よりも下がっていて、お得です、リバウンドしますよ、という紹介をして、証券会社は売りに来ます。これは結構危険だと思います。リバウンドすることももちろんありえますが。以前調べたところ、1万円を5000円にした実績のある投信と、1万円を15000円にした実績を持つ投信のどちらを選ぶか?というときに、5000円になっているものが売れている、というので不思議なものです。
そもそも上がっているか下がっているかだけで投資信託を選ぶのは不可能です。
強いて言えば、下がっている投信は、そもそも運用方針が悪く、運用が下手な可能性が高いので、さらに下がる可能性が十分高いです。逆に、1万5000円になっている方は、上がっており、運用がうまい可能性もある(うまいとは限らない)ので、どちらか、といえばこちらの方がいい投信である可能性が少し高いです(一回うまくいってますからね。その他条件が一緒だとしたら、という話です)。常に基準価額が一定幅に収束するとは限りません。

もちろん、たまたま上がっている、下がっている可能性もあります。それにしても、預けたお金が50%も下がっていれば、たまたまでも私なら笑えません。損切りをすれば違約金がかかりますしね。。。


ではどうすればよいのか?それは、、、
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まず金融の基本的な勉強をするか、あきらめて銀行などに分散して預けるかの二択から選んでください。

株はどういう仕組みで価値がついていて、為替がどういう風にからんでいて、リスクがどういう風に発生して、自分の金融など資産のうち、どの程度は株や投信に投資することができて、その中で、、、
自分で株などを選ぶか、良い担当者を選んで投信をするかなどを選んでください。ちなみに、良い担当者というのは、良い営業マンのことではありません。よく来てるお兄ちゃんはたいてい運用してませんからね。運用担当者は別ですので人柄は普通わかりません。ただし、運用の方針や、年ごとの成績などはわかるはずです。そういうものをよくみて選ぶ、という作業が必要になります。でもそれ自体がそんなに簡単なことではない、と私は思います。
それならば、、、

自分で日経平均に連動する投資信託の一種であり、信託報酬が安いETFなどの商品をちょっと買ったり、または、よく調べて、良いと思う銘柄を複数、分散投資しながら勉強すべきかと思います。でもそれはリスクが、、、と思うかもしれません。でも、それは投資信託に預けていても大きな差はないのではないでしょうか。それを自分でやるか、他人にやってもらうか、の違いしかないです。損をしたら嫌だから調べるのは一緒なのですが、企業を調べるか、運用担当者を調べるかの違いです。企業の情報は実際に商品を買ったり、財務諸表をみたり、実は結構調べられますが、運用担当者の情報はきわめて限られます。

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自分で運用をはじめれば、一気に価格が下がったりして胃が痛い日もあるでしょう。はじめはETFなどごくごく少額からはじめることをお勧めします。勉強するのにも結構時間がかかります。日本といくつかの国の株ならわりとどこの証券会社でも買えるでしょう。経済や金融の勉強をしながら投資をします(株主優待とかとっつきやすいと思います。)。そして、ある程度の知識を身に着けます。今はネットにも色々情報がある(ネットだけでもどうかと思いますが)ので、株や企業の情報も結構手に入りますし、経済の状況もわかってきます。そうしてはじめて、どの投信がよさそうか、ということが少し分かってくる程度の知識が身についてくると思います。

そうでなくても、すでに、401Kで、株を含んだ投信などを一定比率買っている人も多いのではないでしょうか。
例えば、退職時に、持っているお金●●円、退職金●●円、年金が月●●円としたときに、退職時の資産に株式比率がどのくらいあるか?自分の持ちうるリスクはどのくらいあるか(例えば株式が下がり、3割くらいになったら耐えられるのかなど考えます)などの人生設計を考えた時に、今手元にある額のうち、株や投信をそんなにいっぱい買える人はそんなにいないと思います(リスクを取りたい人は止めませんし、人生のステージにも考え方にもよります)。

日本では、お金を稼ぐことにはみなさん一生懸命ですが、お金を運用したり、守ったりすることについて、勉強をしている人の数が、周りを見ても、まだまだ少ないと思います。

株や投信を使って、「稼ぐ」、というよりも、生活を「守る」、という観点からも株式や経済の勉強をしていただいて、ある程度わかったうえで、必要があれば投信とかを買った方がよいと思っています。(不動産とか、他にも色々投資商品はありますしね、あんまり新しい儲かりそうな危険な話は全然お勧めしませんが。)

ちなみに、銀行に預けるのも良し悪しありますが、流動性が高めで、すぐにおろせる(今は)という点では悪くないので、勉強期間中はある程度銀行でもいいと思います。

親にも進めている最低限の防衛策としては、とりあえずドルとユーロを10万円分ずつ買っておいたら、と言っています。
万が一、ハイパーインフレで、円が紙くずになっても、しばらくなんとかなるように、という観点です。
金融の防災グッズみたいなものだと思っています。

こんな感じで、よーく考えよー、お金は大事だよーなので、最低限のお金の勉強をして、最低限の防衛策を取り、そのうえで儲ける運用を考える、その結果、債券などよりは少しリスクが高めの商品が欲しいが、自分には仕事などで時間がなさそうだから、自分で株などを買うよりも、信頼できそうだと思う投信を選んで任せる、という選択肢は十分ありうる選択肢だと思っています。ま、そんなことめんどくさいことをいうと、投信が売れないので、証券会社は言いませんけどね。

海外では、子供の時から金融教育が盛んな国もありますが、日本ではかなり遅いし、そもそもあまりしない人も多いです。個人的には小学生くらいからある程度こういう勉強をやっていった方がよいと思っています。

(補足)上記以外で、そもそも投信しか買いにくい商品というのがあります。例えば、主に世界への分散投資があります。この投資手法は一国だけで運用するよりもリスクが比較的抑えられるため、それなりに良い手法なのですが、それなりの規模や外国の株式を買うチャネルが必要なため、個人でやるには限界があります。こうした方針の投信には良いものが眠っているかもしれません。しかし、運用方針を読むことがとても大事なので、やはり最低限の勉強は必要になります。

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posted by newser at 03:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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