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 幼いころ、この世で一番えらいのは「セイショコさま」という神様だと思っていた。わたしを膝(ひざ)にのせて焼酎をだいぶ聞こし召した父が、この神様の名を口にするときにはやおら威儀を正すのである。

 熊本は水俣で、道普請(道路工事)を請け負う石屋であった。日が暮れて夕餉(ゆうげ)が済めば、若い職人たちも一…

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