【新聞ウォッチ】ルネサスの経営再建完了へ、革新機構が”出口戦略”に着手

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【新聞ウォッチ】ルネサスの経営再建完了へ、革新機構が”出口戦略”に着手
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2017年4月27日付

●MRJ「70席型」試作を発表(読売・10面)

●タイヤの空気圧点検呼びかけ、JAF,高速道使う大型連休前に(読売・17面)

●教えて、高齢ドライバー、「運転がおかしい」家族はどうすれば(朝日・7面)

●東北でよかった! 魅力伝えるツイート次々(朝日・37面)

●首相「任命責任は私に」今村氏辞任、吉野復興相就任(産経・1面)

●自動運転事故メーカーに責任、国交省有識者会議、賠償の新たな仕組み検討(産経・10面)

●空飛ぶタクシー開発活発化(産経・10面)

●新型小型SUVアウディが発表(産経・10面)

●中小メキシコに商機あり、米「国境税」見送り、自動車部品「大手投資増える」(東京・7面)

●ルネサス再建完了へ、革新機構、株2割売却、年内にも公募増資(日経・1面)

●中国、車の外資規制緩和、合弁出資、50%超可能に、25年までに(日経・1面)

●新エネ車普及中国の思惑、対米譲歩と両にらみ、規制緩和で外資から技術(日経・9面)

●タカタ、新会社で事業継承、リコール債務旧会社に、法的整理案ホンダなど大筋合意(日経・13面)

●「三菱自のシェア高める」ゴーン氏,タイ工場視察、ルノー・日産と連携探る(日経・14面)

●ガソリン、9週ぶり下落、店頭133.9円、需要振るわず(日経・20面)


ひとくちコメント

日頃は余りなじみがなくても、経営再建を模索している企業が表れるとメディアにもしばしば取り上げられるのが官民ファンドの「産業革新機構」。格安航空のピーチ・アビエーションやユニキャリア、ジャパンディスプレーなどの再建案件を手がけたほか、最近ではあの東芝が進める半導体メモリー事業の救済を巡っても革新機構の出資が取り沙汰されており、同機構の志賀俊之会長によると「目下、勉強中」のようである。

そんな中、革新機構は、トヨタ自動車などが1500億円を出資、69.2%の株式を保有する筆頭株主として経営再建を主導してきた、半導体大手の「ルネサスエレクトロニクス」の株式の2割弱を5月にも売却する方針という。

きょうの日経が「ルネサス再建完了へ」とのタイトルで1面トップ記事として大きく報じているが、いわゆる「出口戦略」(エグジット)に着手したとみられる。記事によると、ルネサスは年内にも数千億円の公募増資に踏み切り、M&Aなど成長に向けた資金を調達する見通しで、革新機構の出資比率は5割以下に下がることから、ルネサスは自立経営でグローバル競争に挑むそうだ。

革新機構が株式売却に踏み切ったのは「ルネサスの経営が軌道に乗ったと判断したためだ」という。「主力のマイコンは自動車の電子化や自動運転技術の広がりを背景に需要が伸びている」(日経)とみられる。

革新機構は、ルネサス株の2割を売却すれば現在の株価で約3000億円の売却益を手にすることになる。産業競争力強化法に基づき、2009年に設立された革新機構の運営は、2024年までの15年限定の期限付きで、投資資金能力は約2兆円。

マラソンに例えると折り返し地点を迎えており、3月末までの投資案件は114件、支援決定金額は約1兆円で、残りは1兆円の投資余力を残しているが、今後は主力のベンチャー支援や東芝メモリの入札など大型案件に有効活用する狙いだ。
《福田俊之》

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