ついに、NTTドコモが「らくらくホン」を除くiモード対応携帯電話(以下「iモードケータイ」)の出荷を終了した。その代替先の1つとして、同社はスマートフォンと同じ「spモード」に対応する携帯電話(以下「spモードケータイ」)を推奨している。
spモードケータイが本当にiモードケータイの代替になるのか見極めるべく、筆者は2機種のVoLTE対応spモードケータイ「AQUOS ケータイ SH-01J」「P-smart ケータイ P-01J」をレビューすることにした。前回は、基本操作と電話機能について検証し、iモードケータイと同等かそれ以上の使い勝手を実現していることを確認した。
今回は、メール機能とWebブラウズ機能を中心にチェックしていく。
ケータイにおいて、電話(通話)と並んで重要な機能は「メール」だろう。家族や知人・友人、会社と連絡を取る際に、「iモードメール」を多用していた人も少なくないはずだ。
spモードケータイでは、クラウド(オンラインストレージ)上にメールを保管する「ドコモメール」を利用することになる。iモードケータイからの機種変更の場合、引き続き同じ「@docomo.ne.jp」アドレスを使える(※)上、旧機種からmicroSDなどを使ってメールを移行することもできる。
※ iモードメールのメールアドレスをドコモメールに引き継ぐ場合、「iモード」の解約と「spモード」の契約を同時に行う必要があります。
前回取り上げた電話機能と同様に、ドコモメールアプリ自体はドコモがAndroidスマホ用に開発したものがベースだが、iモードケータイと同様に操作できるようにアレンジされている。メールキーを短く押せばメールのメニューが表示されるし、長く押せばメールの同期(センター問い合わせに相当)をしてくれる。メニューの第1階層については、テンキーを使った操作もできる。今後、第2階層もテンキー操作できるようになると便利なのだが……。
ドコモメールに移行すると得られるメリットとしては、PCやタブレットからもメールを送受信できることも挙げられる。
iモード時代にもPCのWebブラウザからメールの送受信ができる「iモード.net」という有料サービスがあったが、2015年2月28日をもってサービスを終了している。
ドコモメールでは、PC・タブレットからの送受信を追加料金なし(つまり無料)で行える上、Webブラウザだけではなく「IMAP(Internet Message Access Protocol)」に対応するメールアプリでも利用できる。「移動中は押しやすいテンキーで、机に座ったら落ち着いてPCのキーボードでメールを打つ」といったこともできるのだ。PC・タブレットで送受信したメールも、クラウド経由で同期されるので安心だ。
ただし、ドコモメールをPC・タブレットから利用する場合、事前にspモードで接続中のspモードケータイから「dアカウント利用設定」を有効する必要がある。Webブラウザ(後述)の「dメニュー」から「お客様サポート」→「サービス・メールなどの設定」→「メール設定」→spモードパスワード入力→「dアカウント利用状態の確認/変更」と進んで、設定を確認・変更しておこう。
文字入力ソフトについては、両機種ともにオムロンソフトウェアの「iWnn(アイウンヌ)」ベースとなっている。入力はケータイの時とほぼ同じ感覚でできて快適だ。ただし、昔のポケットベルで使われていた「2タッチ入力」には対応していない。ここは若干残念ではある。
SMS(ショートメッセージ)の送受信機能については、ドコモメールのメニューからアクセスできる。SMS機能については、それぞれの機種独自のものを搭載しているが、機能面での差は基本的にはない。
SH-01Jではドコモメール・SMSとは別に「PCメール」というアプリが搭載されている。名前の通り、インターネットプロバイダ(ISP)などが提供するメールサービスやGoogleの「Gmail」などの送受信をするためのものだ。対応する受信サーバの種類は「IMAP」「POP3」「Exchange」の3種類で、メールアドレスによっては受信・送信サーバ設定の自動入力にも対応している。「Gmail」についてはGoogleアカウントを使った簡単セットアップも可能だ。
PCメールはプッシュ受信(メールのリアルタイム受信)ではなく、手動取得または一定間隔(5分〜1時間の5段階)での自動取得となる。自動取得の場合、その頻度を短くすると通信量が大きくなるのはもちろん、バッテリー消費も激しくなるので注意しよう。
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