東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 首都圏 > 記事一覧 > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【首都圏】

LGBT中学校道徳用教材 当事者と教員で作成

LGBTについて学ぶ中学校の道徳用教材。「アライ」にかけてアライグマのデザインを採用した(リビット提供)

写真

 同性愛や性同一性障害など性的少数者(LGBT)について学び、理解するための中学校道徳用教材を、LGBTを支援するNPO法人「ReBit(リビット)」(東京都新宿区)が作成し、先月三十日から教員向けに無料配布を始めた。最初の一週間で五十セット以上の申し込みがあったという。

 LGBTへの理解・支援者を示す「アライ(ally)」から名付けた教材「アライ先生キット」は、LGBTの説明や当事者の悩みを紹介する教員向けハンドブック、学習指導案、映像教材、生徒用ワークシートなどがセットになっている。

 十五分の映像教材は、ゲイや性同一性障害の若者が、家族や友人にどう自分のことを伝えたかを振り返る中で「他者との違いとは何か」を生徒が考える内容。作成にはリビットのスタッフのほか、現役の中学教員も加わった。

 法人代表理事の薬師実芳(みか)さん(27)によると、小中学校でLGBTへの理解を深めるための講座を開き始めた七年前には、学校関係者から「うちには(LGBTの子は)いません」「学校で性的な話をするなんて」と拒否反応を示されることもあった。

 しかし、文部科学省が二〇一五年四月に性同一性障害の子どもへの配慮を求める通知を出して以降、風向きが変わったと感じている。新たにスタッフに加わる学生たちの中にもLGBTについて授業で習った人が増えているという。

 薬師さんは「中学生は自分のセクシュアリティーに気付く時期。先生が子どもたちにとって相談できる身近な大人になってくれれば」と期待を込める。本年度は小学校用の教材を作成する。

 教材はリビットのホームページでダウンロードできるほか、中学校の教員には無料で送付する。また、一セット(税込み四千三百二十円)単位で、寄付をすることもできる。 (小形佳奈)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報