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【神奈川】

「基地にも国内法適用を」 沖縄国際大・前泊教授、地位協定の問題点話す

日米地位協定の課題を話す前泊教授=横浜市中区で

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 在日米軍の特権などを定めた日米地位協定の問題点を考える講演会が二十四日夜、横浜市中区山下町のワークピア横浜であった。講師を務めた元琉球新報論説委員長の前泊博盛・沖縄国際大教授は「基本として基地にも国内法を適用するべきだ。他国はそうした改定を重ねている」と指摘した。

 前泊教授はまず、県内に関連する地位協定の事例として第五条の「移動の自由」を紹介した。一九七二年、ベトナム戦争で使われる戦車を修理するために相模総合補給廠(しょう)(相模原市)と横浜ノースドック(横浜市)間を走る運搬車両をめぐり、日本の法律では重量制限を超えて市道を許可なしに走れなかったが、政府が地位協定上の義務違反とならないように車両制限令を改正し、米軍を例外扱いとする事例があったとした。

 厚木基地(大和市、綾瀬市)などで続く米軍機の航空機騒音をめぐっても、裁判所が受忍限度を超えていると認めて賠償金を支払うよう国に命じているのに、飛行は止められないのは米軍の運用が優先される地位協定があるためと説いた。

 その上で教授は日本が主権を取り戻すためには「地位協定に優先して国内法が適用されるようにするしかない」と主張。ドイツや韓国、イタリアなど米軍基地のある他国でそうした改定が重ねられていることに触れ、国が毅然(きぜん)とした態度を取れるかどうかにかかっていると指摘した。講演は一般社団法人勁草塾が主催し、約百八十人が参加した。 (井上靖史)

 

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