造船会社で酸欠か 1人意識不明

26日午前、尾道市にある造船会社で岸壁にとめた台船で作業をしていた外国籍の男性2人が酸欠とみられる症状で病院に運ばれ、このうち1人が意識不明の重体です。
警察は、作業の安全管理に問題がなかったか調べています。
26日午前10時半ごろ、尾道市瀬戸田町の造船会社光洋工業の工場で「作業員の男性2人が酸欠になっている」と消防に通報がありました。
消防や警察によりますと、2人は病院に運ばれましたが、このうち33歳のタイ国籍の男性が意識不明の重体となっています。
また、25歳のフィリピン国籍の男性が体調不良を訴えましたが、命に別状はないということです。
現場の工場は、瀬戸内海にある生口島の北部の海沿いにあり、この会社では船の建造や修理のほか、船のリースを手がけているということです。
消防や警察によりますと、当時、岸壁にとめた長さ45メートル、幅15メートルの台船のタンク内で浸水していないかを確認する作業が行われていて、タイ国籍の男性が意識を失って倒れているのが見つかり、救助に向かったフィリピン国籍の男性も体調不良を訴えたということです。
事故を受けて、光洋工業の出口勇樹社長と岡田圭専務が取材に応じ、現場の状況などを説明しました。
それによりますと、26日は台船を大型連休明けに別の会社に貸し出すために点検作業を行っていたということです。
浮力を維持するための空気のタンクが浸水していないかを点検するため、タンクに通じるフタを開けて中に入ったところ、1人が倒れ、救助に向かった別の1人も体調不良を訴えたということです。
通常は、送風をして換気をすることになっているということですが、「今回、換気が行われていたかどうかは現時点ではわからない」としています。
病院に搬送された2人は尾道市にある協力会社の技能実習生だということです。
光洋工業の出口社長は「事故によって2人や多くの関係者のみなさまにご迷惑をおかけし、申し訳ございません」と謝罪しました。
消防が現場に到着した直後にタンク内の酸素濃度を調べたところ、安全な濃度を大幅に下回る6%と、呼吸停止や死亡に至るおそれのある非常に危険な状態だったということです。
警察は作業の安全管理に問題がなかったか調べています。