カメキチの目
♪ さくらー さくらー やよいのそーらも… ♪
先日は、温泉に桜がかさなって、ほんとに「いのちの洗濯」になった。
その温泉は大昔、伊勢神宮に参る人たちが娯楽をかねて身を清めたらしく、清少納言の『枕草子』にも出てくるとのこと。平安のころにも人びとは桜を心待ちにしていたと、『枕草子』のことについて書かれた本を読んだツレが夕べ話してくれた。
日本にうまれ、日本人として生きるということに、桜は欠かせないのだと歳とるごとにだんだん強く感じてきたが、自分にもそういうDNAみたいなものが流れているのかな。
西行法師の
「願わくば 花の下にて 春死なん その望月の如月の頃」
のように死にたいな。
桜とのつき合いは、現代の私たちのほうが多いが(園や学校に入ったり出たり、人生の節目ふしめにはそばに桜がありました)、濃く深く味わったのは、だんぜん西行だろう。