家電製品ミニレビュー
普通の掃除機がジュースも吸い込める湿式掃除機に! 「スイトル」の実力をチェック
2017年4月27日 07:00
靴を脱いで家に上がる日本ではあまり馴染みがないが、「湿式」の掃除機というものがある。たとえば、こぼしてしまったジュースを吸い込んだり、じゅうたんを少し塗らして汚れを浮かし、汚れた水を吸い込む掃除機だ。海外ではとてもポピュラーな掃除機だ。
一方、日本国内で販売されている掃除機のほとんどは乾式。極々まれに車のフロアマットの掃除用などで海外メーカーの湿式掃除機を見かける程度だ。
ただジュースや飲み物をこぼしてしまったり、車のフロアマットを掃除するなどで、小さいながらも確実に需要がある湿式掃除機。そんなときに便利に使えるのが、シリウスの水洗いクリーナーヘッド「switle(スイトル)」だ。
メーカー名 | シリウス |
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製品名 | スイトル SWT-JT |
実売価格 | 21,384円 |
スイトルは、キャニスター型の掃除機につけられる交換ヘッドで、自宅にある普通の(乾式)掃除機を湿式掃除機に変えてしまうというもの。
残念ながらスティック掃除機には対応していないが、吸引仕事率170W以上の掃除機なら、液体を吸い取ったり、水を使いながらじゅうたんを掃除する湿式掃除機になる。
どんなキャニスター掃除機も一瞬にして湿式にトランスフォーム!
掃除機と連結するには、転倒などで掃除機に水が入り込まないようにするバルブをセット。このバルブを挟むようにして、スイトルの延長ホースを接続する。最後に掃除機のホースにスイトルのホースを接続してセット完了だ。
ホースは、だんだん細くなっているタイプなので、たいていの掃除機に接続できる。もし合わなかった場合は、付属のアダプタを使うと、国産掃除機ならたいていつながるということだ。
掃除機への接続ができたら、汚れを浮かすために必要な水をタンクに入れる。次の写真で分かるとおりスイトルには、中央部と外周部に2つのタンクがある。中央部のタンク(赤い水が入っている部分)には、水道水や漂白剤などを混ぜた清掃用のきれいな水を入れる。外周部のタンクには、汚れた水が溜まるようになっている。
これで普通の乾式掃除機が湿式掃除機に変わった。あとは飲み物などをこぼしたところを、スイトルだけだ。
しょうゆやソース、ケチャップで汚れ落ちを確かめてみた
スイトルの効果を実証するために、通常より少しオーバーな実験をしてみた。用意したのはキッチンマットとケチャップ、ソース、しょうゆ。いずれも布に付くと取れにくい代表選手だ。
これらのソース類でキッチンマットに20cmほど線を引き、スイトルでどれだけキレイになるかをテストしてみた。
スイトルは、水を散布しながら汚れを吸い込む方法と、散布せず液体分のみを吸い込む方法があるが、ここでは水を散布しながら汚れを落とした。
使い方には、ややコツがあってスイトル本体を床につけたまま、象の鼻のような先端のホース部分をじゅうたんに密着させる。この状態をキープして、1cm/秒ぐらいで進めるといい。奥から手前に引いてくる方が使いやすかったが、ここでは吸い取る前後を撮影するために、手前から奥に進めている。
ホースをじゅうたんに密着させると、先端部分の空間の気圧が下がり、本体のタンクから水が吸い出され霧吹き状に噴霧される。その水は、一瞬じゅうたんに吹き付けられるが汚れを浮かし、ホース内部に吸い取られ、スイトルの汚水タンクに回収されるようになっている。
うっすらとしょうゆのシミは残ったものの、洗剤も使わずにここまで落ちるのは驚きだ。今回は水道水を使ったので冷たく、スチームクリーナーに比べると、少し汚れが残っている感がある。でもいつものようにティッシュと雑巾で掃除していたら、被害が拡大してより大きなシミになるのは経験からご存知の通りだ。
続けてソースとケチャップも同様に掃除してみた。
跡形もなくシミが抜けることはなかったが、かなりキレイになったほうだろう。さらに小さい子どもがいるとよくありがちな、カレーをこぼしてしまった想定で実験してみた。
カレーなんて吸い込んで掃除機は大丈夫なの? と心配になる方も多いかもしれない。しかしそこがスイトルの凄いところ。上部の空気と水分を分離する構造で、斜めのメッシュ部分か高速に回転して、空気と水分や固形物を分離する。
固形物や汚れた水は、汚水タンクに回収するようになっている。なので掃除機が液体を吸ってしまうことはまずない。実際今回いろいろ実験してみたが、水分を吸い込んでしまうことは一度もなかった。
オススメの掃除機は紙パック式! 酸素系漂白剤などと併用するとさらにキレイに!
さてここまで実験してきたが、スイトルの性能は掃除機にも大きく依存されるということが分かった。スイトルの性能を左右するのは、掃除機の吸引力。カタログなどでは、吸引仕事率として示されている。この数値が大きいほど、シミがよく落ちるのだ。
今回使った掃除機は、吸引仕事率200Wのサイクロン掃除機だが、ベストマッチするのは紙パック式の掃除機。なぜなら一般的なサイクロン掃除機は、吸引仕事率が低いためだ。ウチには紙パック式がなく、今回の実験に使ったのは国産サイクロン掃除機。
しかし一般的な紙パック式の掃除機は、吸引仕事率が約300Wあるので、水だけでもかなりシミがなくなるところまで、キレイになるだろう。
また油系の汚れの場合は、あらかじめ中性洗剤で付け置きして(霧吹きでかけてしばらく放置)汚れを溶かしてから、吸い込むとより落ち具合がいいという。さらにタンクの水を暖かいお湯にしたり、酸素系の漂白剤を混ぜるなどしてもいい。ただし泡の出る洗剤は利用できない。
スイトルが使えるのはじゅうたんばかりではない。Yシャツのエリについたシミ、服に付いたシミ、さぶとんやソファーにこぼした液体などさまざまだ。また汚れがちな車のシートにも使えるだろう(ただし皮製はNG)。
湿式だからカビ厳禁! でもお手入れも簡単!
湿式の掃除機でかつ食品なども吸い込むので、カビは大敵。でもスイトルは、バラバラに分解して水洗い掃除できるので、いつも清潔だ。
洗うのは簡単でかつ、風通しのいいところに置いておけば、寝ている間に乾くのでお手入れの面倒さはまったくなかった。