2017年4月27日05時04分
森友学園(大阪市)への国有地売却問題で、学園の籠池泰典氏と財務省幹部の面会の内容が明らかになった。学園側が残していた録音データを朝日新聞が入手した。小学校建設のための土地の契約をめぐり、安倍晋三首相の妻昭恵氏らの名前に触れて「早急な対応」を迫る学園側に対し、財務省側は「特例」の取引との認識を示していた。籠池氏は朝日新聞の取材に応じ、この面会で国有地をめぐるやりとりがスムーズになったと語った。
「ああ、どうも」
「タムラでございます」
2016年3月15日、東京・霞が関の財務省。森友学園の籠池泰典氏が録音したデータによると、財務省の田村嘉啓・国有財産審理室長らとの面会は、こんなあいさつから始まった。
冒頭、籠池氏が切り出した。「話をつけに行かなあかんことがありましたもんですから、飛び込んできました。どういう内容かご存じですかね」
田村室長は「報告は受けています。全体を詳しくではないですけれど」と答えたうえで「この件がですね、貸し付けをするということが特例だったものですから」。当時結んでいた定期借地契約が、特別扱いであることに触れた。
この4日前。学園が借りていた国有地で「新たな埋設物」が表面化した。籠池氏はそのとき、財務省近畿財務局と施工業者らによる前年9月の打ち合わせで、財務局がごみの処理費用を浮かすために現場に埋め戻すよう提案したと業者から知らされた、としている。
籠池氏は田村室長にこう迫った。「小学校の用地ですから子どもが入るわけです。大人じゃない。有害物質が入っている土を、運ばないで場内に埋め戻してほしいなんて」「こんなんで安心・安全な教育ができますか」「早めに対応してやってほしい」
籠池氏は、近畿財務局に問いた…
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