2017年4月27日(木)
二重数直線(線分図)で演算決定?
以前に大日本図書の算数教科書『新版 たのしい算数5』の発展的な教材「算数たまてばこ」について触れた。
大日本図書教科書『新版 たのしい算数5』の教科書の「算数たまてばこ」 ~「何年後かな」について自由に
(2017年4月21日)
この中で問題となる
「問題に合う図や式を選ぼう」(P60,61)
について、いずれ触れようと書いた。「算数たまてばこ」は発展問題であるから、必ずしも授業で扱う必要がない。この部分は、
授業で取り上げると有害であるから、やってほしくない。
「演算決定論」のおかしな見本として大切だから、長くなるが『新版 たのしい算数5』より2ページ分を引用しよう。
大日本図書算数教科書『新版 たのしい算数5』P60,61より
大日本図書の教科書は二重数直線の形から、かけ算か割り算を判断させたいようだ。しかし、この方法は子どもの数学的な思考
を妨げることになりかねない。例を挙げよう。絵を見てみよう。
問題・・・1mの重さが1.5kgの赤いぼうがあります。
赤いぼう3kgの長さは何mでしょう。
この問題に対して、教科書は二重数直線を書かせて、その形から
式・・・・せ 2.4÷1.5
と割り算と決定している。そして、これ以外だめであるような錯覚を与えている。しかし二重数直線がなければ
式・・・・1×2=2 (3kgは1.5kgの2倍) (答)2m
とかけ算で、考える子もいる。こうした考え方は、認められないことになる。
算数教育主流派の言う「演算決定論」がこのようなものだとしたら、何とあほらしい理論だろう。問題を見て、問題文に表れた数字のみ
を使って「かけ算」」「割り算」と決定することに意味があるのだろうか。 (注) まして、二重数直線の形から演算決定するという形式的
な扱い方・・・・
数学から見て二重数直線が誤りであるとか、演算決定の理論が誤りであると言うことでない。数学の自由な発想という観点から
逆行していると言うだけである。小学校の⒌年生の学級担任は、授業でとりあつかわないでほしい。発展問題であるから、とりあげる
必要がない。
(注)
二重数直線の一番ダメな点は、「問題文に出てきた数字しか使ってはいけない」と強要してしまうことである。問題を解く図は、道具であ
るから二重数直線にこだわる必要がない。大日本図書の算数教科書『新版 たのしい算数5』は、馬鹿みたいに二重数直線を掲載し、使用を強
要している。算数教育「学」者である細水保宏氏の罪は、大きい。算数教育のガンである。
算数教育について、私のFacebook投稿から
・・・・・・・・・・・・・・・4月25日19時頃投稿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小学校の算数について、今後ブログで小学校5年生の教材を検討していきたいと思っています。小5の算数については、小数✕小数、
分数✕整数など重要な教材がありますが、私はほとんど調べていませんし、何も語っていませんので・・・・・・。
それと岐阜聖徳学園大学附属小学校の算数教育の実践、玉置・鈴木・芳賀・小林共書「若い教師のための深い学びが生まれる算数授
業」を批判的に検討して、附属小学校の算数教育をきちんと評価したいと思っています。玉置氏以外の3人は面識もあり書きづらいで
すが、それでもダメなところはダメとして記述します。具体的には、
①取り上げられた教材は、数学からみておかしな点はないか?
②①との関連で、算数教育のガンと言われている筑波大学附属小学校算数教育研究部やそのOBのおかしな影響はないか?
の2点について研究したいと思います。したがって、いわゆる「教材論」(最近は「教育内容学」と言うらしいが、すっきりしない。)で、
小林教諭や鈴木教授の見解を中心に検討したいと思っています。
玉置教授の授業のあり方、芳賀准教授のICT教育については、①専門外であること、②授業論やICT教育については、元になる
教材の選択と内容によって毒にも薬にもなる面があります。教材が数学から見ておかしければ、いかに子どもを引きつける授業であっ
ても、ICTの活用が効果的であっても、何にもならないからです。授業内容と切り離してそれ自体を検討することも可能かも知れま
せんが、虚しいからやめます。
以上小林教諭の教材選択、鈴木教授の算数教育論については厳しく見ていこうと思います。玉置教授や芳賀教授が教材論について
語っていれば、そのときに限って批評していきたいと思います。目次を見ていると、わり算の等分除・包含除の区別の強調、比で比の値
を扱う授業ならば「あほらしい授業」と一蹴します。まだ注文しただけで手元にないが、そのような授業でないこ
とを願っています。
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西川純氏のあほらしい妄想
以下、私の4月26日12時頃のFacebook投稿より
上越教育大学の教職大学院教授である西川純氏のあほらしい妄想・・・教職の専門職大学などいりません。レベルが低い大学となる
ことは事実でしょうが、それとは別に教育にとって危険な存在でしょう。まさに閉鎖的な師範学校の復活以外の何物でもありません。戦
後の教員養成の二大原則「開放免許制」「大学での教員養成」を否定するものとなります。
西川純氏のようなあほらしい教授の言うことを聞かないことが賢明でしょう。
西川純氏 2017年4月21日のFacebookより
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55年ぶりに大学教育に新たな「専門職大学」が加わることになりました。
http://benesse.jp/kyouiku/201704/20170420-1.html
私はドキドキしながら中央教育審議会の審議途中から注目していました。しかし、あまり反応は無いですね。多くの大学関係者は知り
ません。知っている人も、「程度の低い大学ね」という感覚でしょう。「ものづくり大学」の設立の経緯やその後を知っている人、法科
大学院を筆頭とする専門職大学院のその後を知っている人は、手を出したら危ないと思うでしょう。
でも、私は妄想します。
もし、「教員養成の専門職大学ができたら」と。あながち無茶ではないように思うのです。都道府県の教育委員会と連携し、学校を
実習校とするのです。イメージとしては各地で行われている教師塾の拡大版とします。当然、その大学の教員のかなりの割合は教育委員
会との交流人事となります。そして、学術の業績を持つ現場教員が専任教員となります。その都道府県のミッションをもとに独自性の高
い教育を行うのです。ま、こうなれば教師塾と同じで採用率は高くなるでしょう。そうなれば受験生も増える。
制度設計が大好きな私としてはワクワクしました。
現在は学校教育法案が公開されていますが、これは「あたりまえ」のことが書かれています。大事なところは、文部科学大臣が定める
施行規則です。学部段階の課程審議は大学院の課程審議に比べると緩いです。おそらく文部科学省が読み替えようと考えれば、現行の教
育職員免許法でもOKだと思います。
ただ、これだけだと各都道府県がバラバラになってしまう。これは国の教育に責任を担っている文部科学省としてはゆるがせにできな
い。医師の国家試験のような統一試験を設け、大学の課程はその基礎資格を得るという位置づけにします。こうなると、既存の大学より
も専門職大学院のほうが有利になる。なぜなら、アカデミズムのくびきから逃れやすいからです。
ま、これだけのこと、私が現役にいるあいだに起こるとは思えません。でも、コースを立ち上げ、専攻を立ち上げたときの、あのワク
ワク感を今思い出しました。
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この西川氏の構想については、一度きちんとあほらしさを述べたいと思う。西川氏と岐阜聖徳学園大学教育学部の玉置崇教授と私の
頭の中で重なるのは、なぜだろうか?
(追記)
1.4月26日のページごとのアクセス
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閲覧数 1829 PV 訪問者数 658 IP 順位 518 位/2704995ブログ
1位 二重数直線(線分図)で演算決定?ほか2編 ~子どもの発想をだめにする形式的な指導 2017-04-27 55 PV
2位 岐阜県教育委員会が2017年度教職員の人事異動を発表する 2017-03-28 53 PV
3位 複素関数の微分 ~コーシー・リーマンの微分方程式(極形式) 2013-10-27 44 PV
3位 トップページ 44 PV
5位 記号の筆順 ~×、÷、わり算の筆算、分数 2015-05-31 35 PV
5位 1階線形微分方程式の解法2 ~積分因子を用いた解法 2013-05-02 35 PV
7位 教職員の人事異動のネット検索とその結果わかったこと 2016-04-02 33 PV
8位 3次元空間の直交座標・円柱座標・球座標2 ~座標変換に関する問題 2017-04-26 26 PV
8位 等脚台形の定義と性質 ~中学校数学の範囲内で考える 2016-02-21 26 PV
10位 「はした」は算数の教科書用語?算数教育「学」用語? 2016-02-12 25 PV
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トップページは、8位と1位のブログ記事。
「算数教育・初等理科教育」のカテゴリーのブログは、1位・同順5位・10位の記事である。
「数学・数学教育」のカテゴリーのブログは、同順3位・同順5位・2つの同順8位の記事である。
「教員養成・現職教育」のカテゴリーのブログは、2位・7位の記事である。
2.昨日の一風景
昨日26日は孫の家庭訪問。岐阜県の小学校は、連休前のこの時期は、4日間程度家庭訪問が学校行事として組まれる場合が多い。
そう言えば、Mさんの勤務校も昨日から家庭訪問である。受け持ちの児童数が昨年の25人から34人に9人増えたから大変であろ
う。
昨年度北方小学校で家庭訪問のためのファイルを紛失するという事故が起きたが、くれぐれも気をつけてほしい。
>イメージとしては各地で行われている教師塾の拡大版とします。当然、その大学の教員のかなりの割合は教育委員会との交流人事となります。そして、学術の業績を持つ現場教員が専任教員となります。
西川純氏は、こういうのを理想と思っているのですね。教育に関して、外野の人間にとやかく言われないのでしょうかね?
教員採用試験の1次試験の全部もしくは一部を免除する教師塾と優遇措置のない教師塾があります。名古屋市は前者でしたが多くの批判にさらされて中止になりました。岐阜県は、今年から後者として実施されます。
「岐阜県教育委員会が29年度より「教師塾」を開校』(2月10日ブログ)
http://blog.goo.ne.jp/mh0920-yh/e/150f1fd07e180eb5045e144b03caaee1
>西川純氏は、こういうのを理想と思っているのですね。
西川氏の理想が現実になったら、数学の専門性に乏しい教員が大量に生み出されます。そして、何より「もの言わぬ教員」「体制にべったりの教員」が生み出されることになります。
↓
外野の人間にとやかく言われたくないのでしょうかね?
総合大学での教員養成は、いろいろな学問領域や価値観に触れるなかで考え・行動する教員が養成される面があります。教員関係者や教育委員会関係者・教科教育
「学」研究者だけしか関わらない大学は自己完結型で、外部の研究者を入れたがらない、あるいは外部からの批判を受け付けたくないのでしょうね。