使用済み核燃料は金属製容器で保管 規制基準見直しへ

使用済み核燃料は金属製容器で保管 規制基準見直しへ
原子力発電所から出る使用済み核燃料の保管について、原子力規制委員会は、燃料プールに入れて水で冷やす方法より、金属製の容器に入れて空気で冷やす「乾式貯蔵」のほうが安全性が高いとして、この保管方法を進めやすいよう規制基準を見直すことになりました。
全国の原発にある使用済み核燃料のほとんどは、循環する水で冷やす燃料プールに保管されていますが、東京電力福島第一原発の事故では、冷却機能が失われた4号機のプールで水位が下がり、保管されていた燃料が溶ければ事故を拡大させるおそれがあると懸念されました。

これを踏まえ、原子力規制委員会は電力各社に、キャスクという特殊な金属製の容器に入れて空気で冷やす乾式貯蔵を、より安全性が高いとして推奨していますが、導入が進まないことから規制基準を見直すことになり、26日に検討チームの初会合を開きました。

会合では、想定される最大の地震の揺れを原発ごとに決める必要がある現在の基準では、キャスクの耐震性の審査に時間がかかるとして、地震の想定を全国一律にする案などが示され、今後、具体的な揺れの強さなどを議論したうえで、ことし6月下旬をめどに取りまとめることを確認しました。

乾式貯蔵は安全面に加え、今後、原発の再稼働が進んで使用済み核燃料が増え、プールが満杯になるおそれがあることも考慮して、電力各社が導入を検討しています。