国家公務員です。中央省庁じゃなくて、末端の末端のようなところだと考えてください。
特に中枢に関わってるわけではないですが、ここ十年ほどの職場の状況についてつらつらと書きます。
民間との比較というわけではなく、単に公務員の駄文だと思ってください。
・節電がきつい
廊下の電灯がすべてつくことはこのオフィスにきてから一度もありません。節電のために電球が間引かれていて、常に廊下は薄暗いです。また、夏は死ぬほど暑くて冬は死ぬほど寒いです。夏は冷房がついてるのにそれでは足りずに扇風機を回してうちわを煽ぎ、冬は暖房が弱いのでダウンジャケットを着て仕事をしている人もいます。特に女性の職員はきつそうです。
・人が足りない
年々、職員数は減っています。外注と非常勤を駆使してワープアを量産していますが、それでも人数は足りません。残業時間は増えるばかりですが、残業代は予算で決まっているので上限は決まっています。残業代の支払いを正すべき官公庁でサービス残業が横行しているというイギリス人が好きそうな設定になっております。その上で震災対応で給料が10%近く2年間減らされました。元に戻るときには「公務員が給料を急に上げた!」と報道されました。
とにかく数字を出させるようになりました。基本的に公的機関は非営利ですので、仕事の件数が増えること=仕事がうまくいっている、ではありません。たとえば犯罪の件数などを考えてみてください。むしろ、減ったほうが社会的にはうまくいっているという場合もあります。それでも上司は数字が減っていると理由を求めます。そこで各部署の担当者はもっともらしい理由をでっち上げなければなりません。また、それらの数字をまとめる作業が月末、四半期末、年度末にあり、その作業にけっこうな手間がかかっていて、そのために残業をします。その残業代には前述のとおり上限があります。
・評価
何年か前から各々の仕事の目標を立てるようになっています。ただ、自由裁量がある程度利く場合ならともかく、毎日徹底したルーティンをやるだけの仕事もあるのです。もちろん、それは重要な仕事で、それがないと周りません。ただ、その人達になんの目標を立てろと?たとえて言えば、毎日溜まる土砂を他に運ぶような仕事なのです。その仕事を担当してる人は「年間土砂を何トン動かす」という目標を立てていましたが、思ったほど土砂が溜まらずに、目標は未達成となりました。もちろん、土砂が溜まらないことは社会的にはよいことです。
・綱紀粛正
2000年代初頭からのマスコミによる強烈な公務員バッシングにより、上層部は異常なまでにマスコミ沙汰を怖がるようになりました。当然だと思います。ニュースで取り上げられればそれがどんな些細なことでも偉い人たちで会議が開かれ、対策が打たれます。時給に換算したらえらく高い会議ですね。長い会議の後にほとんど無意味な対策がメールで流れ、その間に上の決定を待つ下の通常業務は滞っていきます。世間的にいわゆる、無駄、ってやつですね。
とまあ他にもありますがこのへんで。そりゃ唐突に首になることはないし、給料が遅配されることもありません。そのへんは恵まれてるところです。ただ、キツイのは全く意味のない仕事の量が飛躍的に増えてるということです。そして、その仕事のために本業をどんどん疎かにしなければならないということです。おそらく地方公務員はもっとひどい。民間でも同様のことが起こっていると思います(さらにもっとひどい)。自分で自分の首を締めてるのに、生産性なんて上がるわけないですよね、という話でした。