Paizaといえばいつの間にか雑なSIerDisりのポジショントークで各所から顰蹙を買う炎上芸人系サービスになっていたので、後日読んだときにどれの話だよとなりかねないので念のために書いておくと、女を捕まえて調教して金を稼がせつつハレムを作るゲームが炎上した話です。ようは大悪司を水で薄めたみたいなもんでしょう*1。
そういえば某社の人事が職権を乱用して夜の面接をしていたみたいな話をゴミタブロイド誌がすっぱ抜いていたのでIT業界は実質エロゲだと言って良いでしょう。
でもPaizaって最初は割と志のあるサービスだったと記憶してるんですよね。
競プロっぽい問題を解くことがそのままエンジニアの実力の証明になるかどうかについては正直疑問がなくはないですけど、それでもある意味で現状の最適解と言えなくもないわけですし、コミュ力とかいう面接官の胸先三寸雰囲気で採用が決まるような不健全なマスの転職市場を変えたいという志があったんだとおもいます。
SIer批判に走りがちなインタビューも、まぁ正直わからなくはないです。良心的な会社があるのは知っていますし、僕が初めて入社した会社も良い会社でしたが、それでも業界構造にわかりやすい歪み*2があり、多くの技術者がそこで磨り減っているのは事実です。正義感ゆえに、あるいはそこから抜け出して幸せになった経験から批判的になるというのは先の志とそれほど矛盾してはいないとおもいます。その是非はともかく。
んで、どこらへんからおかしくなったかというとおそらくどこかのタイミングでやってた「女子大生とペアプロなんたらかんたら」からだとおもうんですよね、勘ですけど。
そしてあの企画はかなり盛況のうちに終わったと記憶しています。
端的な事実として、IT業界(あるいは志望している学生を含めても)は男が大多数を占めています。なのでいわゆるPCじゃない発言も容認される傾向にある……というか、要は同性同士の馬鹿話のノリを咎める人が物理的に存在しない場所がほとんどです。*3
なので「はぁ〜〜〜女子大生と無限にペアプロしたい*4わーー」という発言がアウト判定されることは日本の一般的な職場ではありえませんし、その延長線上として転職サービスがそのようなイベントをしても大きな批判の声はあがらないんですよ。特に当時は。
(正直その程度のクソみたいなヨタ話でいちいち吹き上がる昨今の風潮もそれはそれで馬鹿じゃねーとおもわなくはないんですが、それはまた別のお話)
なので恐らく当時のPaizaであの企画は「成功体験」として蓄積されたはずです。
というか当時から今に至るまで同業者のCodeIQや最近邪悪さが抜けたと評判のマイクロソフトは美少女キャラクターやリアル美女*5を客寄せパンダに使ってマーケティングしていますんで、実際効果的なんだとおもいます。穏当な使い方をする限りは女性の顰蹙を買うようなことも少ないですしね。ちなみに筆者はクラウディア窓辺さんが好きだったのに最近まったく見かけないので悲しいです。
ともかく、この偏ったKPIだけを追いかけた挙句に自爆するパターンってWELQのパターンと同じですよね。ちなみにDeNAの話題は本日2回目ですね。
恐らくは今までページビューだとかを目標値に萌えオタク向けのコンテンツ制作や下品な煽り記事を執筆していたんだとおもうんです。しかし馬鹿を集めて広告をクリックさせるモデルのキュレーションメディアと同じような方向性の活動をしていても、トップページに掲げている「日本のIT/WEBエンジニアを世界レベルに引き上げる」のは難しいとおもうんですよね。何せイギリスやカナダみたいなちょっとどうかしてる国では異性の同僚の容姿を褒めただけで大問題になるわけで、コマした女に水着を着せて開発する(意味深)とか美少女になったプログラミング言語がはしるみたいな最悪のコンテンツをリリースした日には暴徒と化したフェミニストに八つ裂きにされてもなんらおかしくありません。
本当に日本のエンジニアを世界レベルに引き上げたいなら、世界的にナードマッチョな女性蔑視がはびこるIT業界と日本の掛け算の中で生きていることについて自覚を促すようなコンテンツをリリースしたほうがいいんじゃあないかななどとおもいますが、恐らくそういった真面目なコンテンツは一切集客力がないので一瞬で潰れるとおもいます。
現実は厳しい。
まとめ
理想で飯は食えない。マスに訴えるサービスは炎上しない程度の不誠実さを保つバランス力が必要。