ヤフーが4月26日発表した2016年度通期(16年4月1日〜17年3月31日)の連結決算は、売上高が8537億円と前年度比30.9%増と大幅に増えたものの、営業利益は14.6%減の1920億円にとどまった。売上高は過去最高を更新したが、通期としては初の営業減益だった。前期にアスクルを連結したことで約600億円の営業利益があった反動減に加え、アスクルの物流センター火災による損失130億円が影響している。
アスクル関連の増減を除いて調整すると、営業利益は24.1%増の2050億円になるという。基幹事業である広告関連事業、EC(電子商取引)関連事業、クレジットカード事業はいずれも成長しており、特にスマートフォン向けが好調。宮坂学社長は「全てにおいてプラスだった。通常の事業活動としてはいい1年だった」と振り返る。
検索連動型広告やディスプレイ広告などの広告関連サービスが属するマーケティングソリューション事業は、売上高2815億円(4.9%増)、営業利益1619億円(9.8%増)。スマホ向け広告の売上高が1443億円(30.7%増)と、売上高比率で初めて50%を超えた。3月に開始したインフィード型動画広告もスマホ向けとして期待が寄せられる。
「ヤフオク!」「Yahoo!ショッピング」「ASKUL」などのコマース関連サービス、「Yahoo!プレミアム」などの会員向けサービス、「Yahoo!不動産」などの情報掲載サービスが属するコンシューマ事業は、売上高5117億円(52.4%増)、営業利益649億円(45.1%減)。
ヤフオク!の堅調な推移と、自社サービスからの送客を強化したYahoo!ショッピングやアスクルの「LOHACO」事業の拡大で大幅増収だった一方、アスクル関連で減益になった。
決済や金融サービスが属する「その他」事業は、売上高716億円(18.8%増)、営業利益151億円(134.7%増)。クレジットカード事業は投資期の段階だが好調に伸びつつあり、「Yahoo!JAPANカード」「KCカード」「ソフトバンクカード」の有効会員数は前年比1.6倍の360万人に届いた。
Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.