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2017.04.26 シャラポワのワイルドカード論争にハレプとコルネが新しい刺激を投入 [ポルシェ・テニス・グランプリ]


 マリア・シャラポワ(ロシア)が薬物使用で活動停止処分を受けて以来、初の試合をプレーする予定日の前日、シュツットガルトではシャラポワのワイルドカード(主催者推薦枠)による「ポルシェ・テニス・グランプリ」(WTAプレミア/4月24〜30日/室内クレーコート)出場についての論議が続いていた。

 シモナ・ハレプ(ルーマニア)とアリゼ・コルネ(フランス)はシャラポワに本戦ストレートインのポジションを与えた大会主催者を非難している選手たちの一団に加わった。反対に選手たちは、日に日にその数を伸ばしている。

 「子供たちのお手本となるためにも、若い選手たちのためにも、薬物使用で処分を受けた選手をワイルドカードで助けるのは許されることではないわ」と世界5位のハレプ。また、「これはシャラポワがどうこうという問題ではなく、薬物を使用したプレーヤー皆について言えることよ」と言い添えた。

 「私は大会ディレクターがやったことを支持できないわ。でもまた、批評することもできない」とハレプは言った。今大会は第4シードのハレプは2回戦でバーボラ・ストリコバ(チェコ)と対戦する予定だ。

 コルネは仏レキップ紙上にコメントを掲載することによって、さらに一歩前に出た。

 「一般的に言って、私はWTAが薬物テストで陽性反応を出した選手のプロモーションを行うなんて、恥ずべきことだと思うわ。彼女は偉大なチャンピオンだから人々が彼女について話題にしているのはごく当然のこと。でもそれと、彼女の復帰をこうも大々的に奨励するのとでは大きな違いがある。正しいことじゃないと思うわ」と世界41位のコルネは言った。

 心臓病の薬でもあるメルドニウムが2016年から禁止薬物となったあと、シャラポワは同薬物使用が発覚し、15ヵ月の出場停止処分を受けた。彼女の処分の期間は、この水曜日に終了となる。グランドスラムを5度制した元ナンバーワンのシャラポワは、2012年から2014年に3連覇した今大会の1回戦で、ロベルタ・ビンチ(イタリア)と対戦する予定になっている。

 ビンチは月曜日に、薬物使用による出場停止処分から戻った選手にワイルドカードを与えることについて公然と反対しているカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)、ドミニカ・チブルコバ(スロバキア)、アグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)、アンジェリック・ケルバー(ドイツ)らに加わった。

 今大会で、一昨年、昨年と2連覇しているケルバーは今回第1シードだ。第7シードのラドバンスカは火曜日に1回戦をプレーし、エカテリーナ・マカロワ(ロシア)に2-6 4-6で敗れた。そのマカロワは、シャラポワとビンチの試合の勝者と対戦することになる。チブルコバは右手首の故障のため、大会を棄権した。

 そのほか行われた1回戦では、第8シードのスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)がキキ・バーテンズ(オランダ)に6-3 5-7 6-3で競り勝った。クズネツォワは2回戦で昨年準優勝者のラウラ・シグムンド(ドイツ)と対戦する。シグムンドはジャン・シューアイ(中国)を6-2 7-6(4)で下した。

 今大会のほかにシャラポワは、5月のマドリッドとローマでもワイルドカードを与えられているが、5月下旬の全仏オープンの主催者はシャラポワを招待するか否か、まだ決めていない。

 「フランステニス連盟の会長ベルナール・グイディセッリが最初に言ったことを守り、彼女に全仏でのワイルドカードを与えないよう祈るわ」とコルネは言った。

 「薬物テストで陽性となった選手は、ほかの選手同様にゼロから始めて自分の場所を勝ち取るべき。彼女のためにレッドカーペットを敷くべきじゃない」とコルネは言い添えた。「不幸なことにテニスはビジネスであり続けている…(中略)…でも道徳的にそれはよいことじゃない」。

 ますます多くの選手が薬物使用による処分を受けた選手にワイルドカードを与えることに反対意見を述べているが、シャラポワはある支援をも受け取った。

 カロリーナ・プリスコバ(チェコ)は、テニス界にはシャラポワのようなキャラクターが必要で、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が妊娠を発表して来年までプレーできない今、いっそうそうであると指摘した。

 「間違いなくこれは大会にとって大きなことね。シュツットガルトだけでなく、これからやってくるすべての大会において」と世界3位のプリスコバは言う。「大会側にしてみれば大きなプラスよ。セレナが戦線から離脱した今、テニス界はシャラポワのようなスターを必要としており、私はそれに反対するつもりはないわ」。
 
 シャラポワはまた、元グランドスラム優勝者でナンバーワンのキム・クライシュテルス(ベルギー)から全面的サポートを得ている。

 「彼女はもう罰を受けた。このニュースを聞いたとき、私は驚き、がっかりしたけれど、彼女は素晴らしいキャリアを積んできた選手であり、彼女がさらなる懲戒を必要としているとは思えない」とクライシュテルスは言う。

 2015年の終わりに開催されたアントワープの大会ディレクターだったクライシュテルスは、「誰にワイルドカードを出すか否かは、大会次第よ」と言った。

 かつて20週間、WTAランキングを導いていたクライシュテルスは、母になるために2年ほど選手活動を休止した。そして2009年に戻ってからグランドスラムは9大会でプレーし、3つのタイトルを獲得している。クライシュテルスは、シャラポワがサーキットで同様の復活を果たしうるということに何の疑いも抱いてはいない。

 「こうも長いことコート外にいるということは、彼女にとってタフなことだったに違いないわ」とクライシュテルスは言った。「でも、一週間のうちにこのニュースは終わり、彼女は通常通りのプレーに戻って、もしかすると彼女のベストのテニスをするかもしれないわよ」。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は薬物使用により15ヵ月の出場停止処分が終わり、まもなくコートに戻るマリア・シャラポワ(ロシア)(写真は3月のイベントでのもの)
Photo: RANCHO MIRAGE, CA - MARCH 28: Former No. 1 tennis star Maria Sharapova is interviewed by former US Women's Soccer player and sports broadcaster Julie Foudy at the ANA Inspiring Women in Sports Conference at Mission Hills Country Club on March 28, 2017 in Rancho Mirage, California. (Photo by Kelly Kline/Getty Images)
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