転職活動・就職活動では、応募先の企業規模が大きくなればなるほど、面接も複数回にわたって行われます。
どの業界でも、人事部や現場担当レベルの1次面接から始まり、2次面接以降では次第に相手の役職が上がっていき、最終面接では役員や代表クラスが面接相手となるのが一般的です。
多くの求人情報サイトを見ても、面接は大体2~4回行うことが多く、企業側が段階的に候補者を絞り込んでいく様子が伺えます。
複数回にわたる面接をストレートに通過することができれば良いのですが、転職者の中には決まって最終面接で落とされてしまうタイプの人がいます。
内定はもらったなと思っていたら、お祈りメールが届くなんて、完全に自信を失ってしまいそうです・・・。
そこで今回は、なぜ最終面接で落とされてしまうのか、その理由を探り、どうすれば突破できるのかについてお話ししましょう。
最終面接で落ちる人の特徴
転職エージェントとして多くの転職者を見てきましたが、最終面接で落とされる人は以下のような特徴(考え方)を持っていると言えます。
①最終面接を「顔合わせ」程度に考えている
まだ決定していないのに、早とちりで内定したと思い込んでいるタイプです。
直前の面接で手ごたえをつかみ、企業側の採用担当者も高い評価をしてくれている場合「これでもう内定だ!」と思い込んでしまう気持ちは分かります。
ですが、最終面接は決して顔合わせではありません。
また、企業担当者も「次は最後の社長面接ですが顔合わせ程度なので気楽に」と声をかけているかも知れません。
しかし、それは大きな罠です。最終となる社長面接が顔合わせ程度だとは普通に考えてありえない話です。こうやって最終面接を甘く見た結果、特に対策をせず面接に臨み落とされてしまうことがあります。
そもそも、どんな状況であっても合格フラグ、お祈りフラグをなんてものは存在しないのですから、メールや書面で内定通知が届いた・電話で内定しましたという連絡がきた等、確実な結果を手にするまでは気を抜けません。
②1次・2次面接と全く同じ回答をしてしまう
最終面接で企業側の相手となる役員や代表に対しても、1次面接と同じ様な回答をしてしまうタイプです。
最終面接では志望動機など質問がかぶることは多いのですが、あなたはこれまでの面接とかぶった回答をしてはいけません。
もちろん、回答内容を180度変えてしまうのはいけませんが、最終面接までに土台はそのままで説得力や深みのある内容に仕上げておく必要があります。
③回答に「リスクヘッジ」を盛り込む人
質問に対する回答に、「前提として〇〇ですが・・・」や、「多くの人が○○と考えている通り・・・」といったような、自分の意見を言う前に一般論などを混ぜ込むタイプです。
自分の意見が間違っていないことを一般論によって証明するという、ある意味リスクヘッジ的な回答をするクセがついている人は、最終面接では好印象を与えることはできません。
面接で実力を出せないのは何が悪いのか?
このように、最終面接で落とされる人には決まった特徴があるのです。
これらの傾向からわかることですが、最終面接で落とされる人は「最終面接が企業にとってどのような意味を持つのか」「役員や代表など、経営者としての視点を持つ人たちがアナタの何を見たいと思っているのか」を理解していないということです。
企業における面接が段階的に行われるのは、企業側はそれぞれの面接でアナタを異なる視点で評価しているということ。面接における評価はすべての段階で共通ではないのです。
では、1次面接や2次面接で企業はアナタの何を評価しているかについてご説明します。
1次面接
・仕事を上手に回せるだけのスキルはあるか
・受け答えや態度・服装に問題はないか
・過去の業務経験が自社で活かせるか etc.
2次面接~
・会社にどの程度貢献できそうか
・チームに馴染んでやっていけそうか
・希望職種以外でも活躍できる余地はあるか etc.
それぞれの面接において、聞かれることはある程度共通している部分はあります。
しかし、面接のレベルが上がっていくにつれ、企業側の担当者の観察ポイントは変化していくのです。
また1次面接や2次面接では、選考にあたって以下のような判断基準があります。わかりやすいように面接結果を5段階で評価したパターンでご説明します。
A:高評価でぜひ欲しい人材・・・問題なく面接通過
B:若干引っかかるところはあるがソコソコの評価・・・問題なく面接通過
C:良くも無く悪くも無い・・・もったいないからとりあえず保険として通過
D:ちょっと難あり・・・基本は落とすが応募者数次第では通過することもあり
E:全く話にならない・・・落とす
つまり、最終面接に至るまでの選考プロセスは、原則として「優秀な人材を選ぶための面接」ではなく「ダメな人間を落とす」面接であり、面接に通過したから企業が欲しているとは必ずしも断言できないのです。
最終面接で企業はあなたの何を見ているのか?
では、企業側は最終面接でアナタの何を見ているのでしょうか。
先程の例で言うと、最終面接は「優秀な人材を選ぶための面接」です。1次面接以降の複数回にわたる面接で、「とりあえず現場の仕事は任せられそうだな」と思われる人材の中から「会社にとってプラスになる人材」を選び抜くためのプロセスなのです。
そして、最終面接を担当する役員や社長は、ズバリ応募者のココを見ています。
①ビジョン
応募者の持っている仕事に対するビジョンが会社のビジョンとマッチしているか
②双方のメリット
採用することで会社と応募者の双方にメリットを感じられるかどうか
③10年後の姿
応募者が10年後もこの会社にいて、管理職クラスとして活躍できる素材かどうか
いかがでしょうか。担当者レベルの選考基準とはかなり異なることがお分かりいただけるでしょう。当然、最終的な採用決定権は役員や代表が持っているわけですから、いくら1次・2次面接で好感触であったとしても、最終面接ではリセットされたものだと思って挑まなくてはいけないのです。
では、これらを踏まえて、応募者は最終面接で何を話せばいいのかについて解説します。
自分の将来像を熱く語ること
応募者が最終面接で最もアピールすべきことは、自身のキャリアビジョンと熱意です。
最終面接の相手は役員や社長であり、そういうポジションにいる人は会社の存続を第一に考えています。その前提に立ち、5年後10年後にアナタがこの会社で中軸として活躍できるか、それを確認する材料が欲しいのです。
スキルや経験が生かせることは1次面接以降で既に確認済です。しかし、時代の変化は激しく、今のスキルや経験が5年後10年後に通用するとは限りません。
変化に対応できる人間であれば生き残ることが可能であり、かつ将来的な経営幹部として活躍できると判断します。
最終面接ではこのようなポイントを意識し、自身のキャリアビジョンや仕事に対する熱意をアピールすべきなのです。
転職エージェントを活用し最終面接を乗り切ろう!
アナタが一度でも最終面接で落とされたことがあるならば、次の転職活動の際には転職エージェントを活用することをおススメします。
転職エージェントでは、模擬面接などを通して各段階の面接に臨む前の応募者に面接通過のための適切なアドバイスを行ってくれます。
あわせて、その企業の担当者の特徴や面接のポイントなども事前に通知してくれるため、しっかりと事前準備をして面接に臨むことができるのです。
また、企業側へも応募者の長所や魅力などを前もって伝えてくれるため、最初からいいムードで面接に臨むことができます。企業側から見ても、全くの飛び込みで面接を行うよりも転職エージェントによる「お墨付き」がある方が安心するのです。