携帯電話や電子レンジに用いる周波数の高い電波「マイクロ波」を研究する大学生と、産業界のつながり強化に貢献したとして、八戸工業大工学部電気電子システム学科准教授の柴田幸司さん(46)が、電子情報通信学会(東京都)の教育功労賞に選ばれた。電気、情報、通信に関する日本最大規模の学会の賞に「学生のためにという思いだけで活動してきた。地道な努力が認められてうれしい」と照れくさそうに話す。 大学卒業後、会社勤めや博士号取得を経て2004年より現職。マイクロ波工学を専門としている。 同学会アジア太平洋マイクロ波会議国内委員会が主催する展示会「マイクロウェーブ展」において、大学生が研究成果を発表する「大学展示コンテスト」の立ち上げに2009年から関わった。13年までの5年間、運営の中核を担い、多様な企画を実施してきたことなどが評価され、今回の受賞につながった。 民間企業で携帯電話基地局開発などに関わった経験から「大学と企業の接点をつくって、(学生たちが)産業界に進むきっかけになればと思った」と柴田さん。「今後は青森県の産業発展に貢献するために、地域と連携した活動をさらに進めていきたい」と意欲を語る。【写真説明】電子情報通信学会教育功労賞に選ばれた柴田幸司さん