住職の常駐なし1万3千カ寺 全国調査、過疎など影響
全国に7万5千以上ある寺院のうち、少なくとも約1万3千カ寺が、常駐する住職がいなかったり、別の寺の住職が兼務している状態であることが24日、京都新聞社のアンケートで分かった。対象とした主要13宗派の全末寺の2割を超した。京都府、滋賀県内でも、計千カ寺以上が該当した。回答した仏教宗派は、過疎の進行や人口減少、後継者不在などが原因と分析している。
アンケートは、全国に2500以上の末寺を抱える規模の大きい10宗派と、京都府か滋賀県に100以上の末寺がある3宗派の計13宗派を対象に2~3月に実施した。末寺の数は合計6万2600で、全国の寺院の8割以上に当たる。
専任の住職が住んでいなかったり、他の寺の住職が兼ねていたりする「無住」「兼務」「代務」と呼ばれる状態の寺は計1万2964あった。真言宗智山派(総本山・智積院、京都市東山区)は末寺の約35%、臨済宗妙心寺派(大本山・妙心寺、右京区)は約32%、国内最大の曹洞宗は約22%が該当した。
住職が住んでいない寺や専任の住職がいない寺の増加は、寺院の減少につながるとの指摘がある。曹洞宗の広報担当者は「宗派として僧侶の資質向上に努め、福祉活動や地域貢献を推奨しているが、1宗派だけではなく、仏教界全体の問題として取り組む必要がある」と話す。
【 2017年04月25日 11時30分 】