【ニューヨーク=小川義也】米グーグルの自動運転車開発部門が独立したウェイモは自動運転車を使ったタクシーの試験サービスを始める。米西部アリゾナ州フェニックスの住民が対象で、料金は無料。同社はこれまでもフェニックスで公道試験を重ねてきたが、一般市民が試乗する機会はほとんどなかった。幅広い市民の声を拾い、商用化の準備を加速する。
25日に試験サービス「アーリー・ライダー・プログラム」への参加登録の受け付けを始めた。登録は世帯単位で、数百人規模の参加を見込む。審査を通過すると、通勤や通学、買い物などに自由に利用できる。プログラム参加者は使い勝手などのフィードバックを提供する義務がある。
グーグルは2009年に自動運転車の研究開発に着手。昨年、開発部門を事業会社として分離・独立させた。現在はアリゾナ州のほか、カリフォルニア州、テキサス州、ワシントン州で公道試験を重ねている。累計の走行距離は250万マイル(約400万キロ)を超えたが、一般市民を対象にした自動運転タクシーの試験サービスは初めて。
試験車両にはウェイモのドライバーが同乗し、安全を確保する。同社は試験サービス開始にあわせ、欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と共同開発したミニバンタイプの自動運転車を500台追加することも明らかにした。
フェニックスでは米ウーバーテクノロジーズも自動運転車を使ったライドシェア(相乗り)の試験サービスを提供しているが、3月に横転事故を起こしている。