説明が「下手な人」と「うまい人」の決定的な差

「動詞」と「動作」の違いをわかっていますか

「今の説明、わかりにくいよ」と言われないために(写真:よっし / PIXTA)
新製品の提案、会議のまとめ、部下の指導――。ビジネスの現場は、毎日のように誰かに何かを「説明」する場面であふれています。
そんなとき、思うように言いたいことが伝わらず、「で、結局どういうこと?」と聞き返されたり、仕事が滞ったりしてしまう――そんな苦い経験をしたことはありませんか?
最新刊『「いまの説明、わかりやすいね!」と言われるコツ』の著者であり、“思考整理のプロ”として5000人以上の人たちのパフォーマンスを改善に導いてきた浅田すぐる氏は、「『説明下手』の原因と解決策は、実は非常にシンプルなところにある」と説きます。

ビジネスの世界は「動詞」表現が8割!?

相手から「わかりにくい……」「結局、どういうこと?」といった反応が返ってくる「説明下手」な状態を解消するには、まず「そもそもなぜ、うまく説明できないのか?」という理由を明らかにするのが先決です。

私はよく、セミナーや研修の場で受講生の方たちに次のような質問を投げかけます。

「『動詞』と『動作』の違いがわかりますか?」

もちろん、唯一の正解があるわけではありません。あくまで私的な解釈ですが、私は両者の違いを特に重視して、次のように分けています。

動詞:その言葉だけを見聞きしても「何をしたらいいか」がわからない表現。
動作:その言葉を見聞きすれば「どう行動したらいいか」がわかる表現。

たとえば、書店に並んでいるビジネス書などを手に取ると、多くの書籍が「仕事をするうえで『目的を意識する』ことが大切だ」と主張しています。

では、ここで1つ質問です。

「いったいどうすれば、『目的を意識する』ことができるでしょう?」

答えはいろいろと考えられますが、私なりの考えでは、次のようになります。

「目的を紙に書いて、繰り返し見る」

ポイントは、この表現を見聞きした相手が「行動」できるか、「実践」できるか、「習慣化」できるかです。すなわち、「動作」に移せるか。

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