九州から鳥取に車で行くなら松江自動車道を経由するのが最短最速
積雪はあったが無事帰れた
3月、久々で生まれ故郷の鳥取県米子市に帰省してきた。5年ぶり。
住んでた頃は毎年のように大雪が降って「雪国」の部類に入ってた鳥取県も、少し前まで(温暖化の影響なのか)雪がほとんど降らない年が続いたと聞く。
しかし最近またしても雪が多くなってきており、2017年1月には大雪のため米子自動車道で約60台の車が立ち往生し、10時間以上も通行不能になってる様子が全国ニュース映像で流されたりもした。
今回米子市に帰省する際も1週間前に結構な量の積雪があった。高速道路が積雪で通れないようなら帰省は延期にするしかないと考えていたが、幸い天候が良かったので無事帰省することができた。
▲ 「伯耆富士」と呼ばれる鳥取県の名峰、大山(だいせん)も久々に見ることができた。山頂が冠雪している。
帰省中ずっと霞んでいて、ハッキリした稜線の写真を撮ることはできなかった。
▲ 別の日に、別の場所で撮った大山。帰省中ずっとこんな感じだった。大山の勇姿を目にして大変感動したのだけど、写真に撮るって難しい。
▲ 早朝の皆生(かいけ)海水浴場。日本で初めてトライアスロン大会が開催され、「トライアスロン発祥の地」と呼ばれている。
▲ 学生時代、夏になると毎日のように泳いでた皆生の海。向こうに見える大山はやっぱり霞んでいる。
前回帰省した5年前はまだウォーキングを本格的な趣味にしていなかったので市街地にも行かず散策もしなかったが、今回は米子市のいろんなところを存分に歩きまくってきた。とても楽しかった。
学生時代は自転車、社会人となり帰省した時は車でしか移動しておらず、自らの足で街を歩いたことなどほとんどなかった生まれ故郷・米子。その故郷を「歩いて散策したい」という念願が今回叶った。
▲ 今回米子市でいろんな美味しいものを食べてきた。その中でも特に印象深かったのがラーメン。鳥取県はラーメンが有名でも何でもないのだけど、米子市内や近隣エリアはラーメン店が異様なほど多い。
その中で今回連れて行ってもらった「太陽軒米子431号店(米子市西福原9丁目19-40)」で人気メニューとなっている「大山ねぎ味玉肉ラーメン」。これ、メチャクチャ美味しかった。
いつも北九州では豚骨ラーメンばかり(たまに味噌ラーメン)食べていて、醤油ラーメンはもう随分食べてなかった。そもそも醤油ラーメンがあんまり好きではないのだけど、久しぶりに「醤油ラーメンうまい」と感動した。
スープは鳥取県産の丸大豆しょうゆを使用。通常のネギよりも遙かに大きいサイズの米子名産「大山ねぎ」は食べごたえ抜群(上の写真を見ればネギの巨大さが分かるでしょ)。トロットロの煮卵が2個に、チャーシューではなく豚肉がタップリ入ってる。
ボリュームもかなりのもので、これだけ具材が豪華で780円(税抜)。コスパがめちゃくちゃ高い。次に帰省した時も必ず食べに行く(実は食べるまであまり期待してなかったので料理の写真しか撮ってない…次はお店の写真も撮ろう)。
それにしても「大山ねぎ」の美味しさは衝撃的だった。私が米子に住んでた頃は食べた記憶がない。もっともっと全国的な知名度が出てもいいんじゃないかと正直思えた。そのくらい美味しい。
往路・復路とも高速道路を走行
今まで北九州から米子まで、いろんなルートを車で走って帰省している。節約のため一般道を使うこともあったのだが、今回の帰省は行きも帰りも全て高速道路と有料道路を使った。ETCの休日割引で比較的安かったこともあるし。
▲ 長距離の運転がしんどい年齢になってきたので、行きも帰りもSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)でたくさん休憩を取った。
上の写真は中国自動車道の伊佐PA(上り)。古くからある路線地図らしく、今回紹介する「松江自動車道」が新しいせいもあって地図に反映されていない。
▲ 島根県の宍道湖SA(上り)にあった巨大な島根県の観光マップ。島根って長い。
▲ その宍道湖SA(上り)にある展望台から宍道湖を眺める。
▲ こちらは九州へ帰る途中、宍道湖SA(下り)から見える宍道湖。宍道湖SAは上りよりも下りのほうが高い位置にあるため、宍道湖を眺めたいのなら下りSAがオススメ。
▲ 中国自動車道の楽しみの1つ、山口県の王司PA(下り)名物、肉うどん。テレビでも取り上げられた有名な味。
▲ セットで食べられる明太子ごはんが予想以上のボリューム。小食な人だと食べられないほどの量。満腹になった。
営業時間が夜8時までなのだけど、我々が王司PAに到着したのは夜7時50分くらい。ギリギリセーフで食べることが出来た。
閉店間際だったので客は我々家族だけになってしまい、窓際のカウンター席で美味しそうに食べてるのを見て多くの人が店内に入ってきた。
店員さんが「もう終了しちゃったんです」と謝ってるのを横で聞きながら嫁が「ごめんなさい、ごめんなさい」と何度も小声で呟きながらうどん食べてた。
九州から米子に行くなら松江自動車道が最適解
私は北九州市から高速道路を走って鳥取県米子市まで往復した。福岡県のみならず九州各県から車で山陰地方に行くのであれば北九州を通ることになるはずなので同じルートだろう。
九州から米子市に行く場合、特に高速道路を多用して速く行くのであれば大きく3つのパターンが考えられる。
★米子自動車道を使うルート
10年くらい前まで「高速道路を使って米子市に帰る」場合の最速ルートは「米子自動車道を経由するルート」だった。米子道は1992年に全線開通している。
横に長い山口県を西端から東端まで走り、またも横に長い広島県を西端から東端まで走り、さらに岡山県に突入してしばらく走り、中国自動車道・落合JCT(ジャンクション)から左に折れて米子自動車道に入り、西へ逆戻りするような進路で米子市に向かう。
この「岡山県まで行かなきゃならない」「落合JCTから逆戻りするように進路変更」という2つの要素が精神的にとてもツラい。もちろん体力的にもツラいし、高速料金という意味でお財布的にもツラいのだけど、以前はこのルートが最速だった。
ちなみに九州とは逆、関西方面から米子市に行く場合や、四国から瀬戸大橋を経由して米子市に行く場合は「米子自動車道を経由する」のが最速。なお、米子市ではなく鳥取市に行く場合は話が変わってくるので今回は割愛(そもそも私は鳥取市に行かないから分からない)。
★浜田自動車道を使うルート
浜田道は1991年に全線開通している。
中国道の千代田JCTから左に折れ、島根県浜田市までを繋ぐ浜田道をしばらく進む。終点の浜田ICで高速を降りてからは日本海沿いの国道9号線を延々と東へ進むルート。浜田道は2010年、当時の政策により無料化されたが、現在は有料区間に戻されている。
浜田ICで高速道路を降りて一般道を走るため、高速料金は安くて済む。しかし浜田市からの一般道は当然ながら信号も多いし、長い長い島根県を横断するので時間が相当かかった。ちなみに(後述するが)現在は山陰道と連結したため浜田ICで降りる必要はない。
浜田道も米子道と同じく、九州から行くと「西に逆戻りするようなルート」になっているため、米子市に行くという目的だけで考えれば明らかな遠回りなので無駄だしオススメはできない。しかし途中で出雲市や松江市を観光してから米子市に行くのであれば、この浜田道ルート1択となる。
何年前だったか、1度だけこのルートで北九州から米子まで帰省する途中、出雲大社、松江城、「水の都」松江市街地などを観光してきた。なかなか楽しい旅だった。
ただ当時、ソフトバンクのテレビCMに「島根のおじさま」というキャラで登場し、幸せを呼ぶという「バブルリング」を吐き出して話題沸騰中だったシロイルカが浜田市の「島根海洋館アクアス」という水族館(島根県浜田市久代町1117-2)にいたため、それ見たさの観光客で国道9号線は大渋滞して大変だった。今はブームも去って落ち着いてると思われる。
★松江自動車道を使うルート
今回の帰省旅行で利用した松江自動車道は、前回我々が米子に帰省した時には部分開通しかしておらず、松江道という存在すら知らなかった。松江道は2013年3月に全線開通したらしい。
中国自動車道の三次東JCT(九州方面から行くと「三次IC」を通過して数km先にある)から松江道に入る。反対方向は松江道ではなく「尾道自動車道」で、瀬戸内海近くの尾道市まで行ってしまうので注意。間違う人はいないと思うけど。
松江道を延々と直進して中国山脈を縦断し、加茂岩倉PAを通過して数km先から山陰自動車道と合流。分岐を東側の「松江・米子方面」に進んでから後はひたすら米子市まで直進するだけ。
三次市から宍道湖まで最短距離で道路が施設されているおかげで、米子道や浜田道の「逆方向に戻る」ような無駄な走行をしなくて良い。高速道路としては北九州から米子までを最短・最速で行けるし(米子道を経由するより1時間以上も短縮できる)、途中幾つか無料区間があるので高速料金も安くて済む。現時点で最もオススメなルート。
松江道から中国道へ合流する際の注意点
1つ注意しなければならないのは、米子から九州に帰る際に松江道を利用した場合の「中国自動車道への合流方法」。
米子道や浜田道と同じく、松江道も片道1車線の道路。したがって前方を遅い車が走っていたら追い越すことが出来ず渋滞する。
これを回避するため一部区間だけに「追い越し車線」が短距離ながら設置されており、スピードを上げたい車は追い越し区間を利用して遅い車を抜いていくことになる。
この「追い越し車線」だが、中国自動車道へと合流する「三次東JCT」への入口が、まさにこの「追い越し車線」の途中にあるため、遅い車を追い越すため調子に乗ってスピードを出していると中国道へ進むことができず、そのまま直進して尾道方面に行ってしまうハメになる。
実は今回、私がその大失敗をやらかした。
前方を余りにも遅い車が数台走行していたので、やっと追い越し車線が来たのでまとめて追い越していたら途中に中国道への分岐があり、左車線に割り込むこともできず直進するしかなく、数km先の「三良坂IC」でいったん降りてUターンするしかなかった。
この三良坂ICがまた初めて通る人には難解な構造で、どう進めば三次東JCT方面に行けるのかサッパリ分からず、全然関係のない一般道に進みかけたり、再び尾道方面に行きかけたり、何度もUターンを繰り返して発狂した。
ということで、松江道の三次東JCTから中国道に乗り換えて九州方面に進みたいドライバーは、分岐点が近付いたらたとえ前方にノロノロ運転の車がいようともジッと我慢して左車線を進み続けるのが吉。危険走行で狭い車間に強引に割り込むような真似は絶対しないように。
余談:中国道と山陽道、どちらを走るか
今回は「九州から米子に行くなら松江道を走るのがオススメ!」という話がメインテーマなのだが、実はその松江道に入るまでの区間、つまり九州から三次東JCTまでをどういうルートで進むかというのも複数パターンがあり、それぞれドライバーの好みは別れる。
▲ まずは単純に「中国自動車道だけを走るルート」。上の地図、オレンジ色の線が九州の最北端(めかりPA)から三次東JCTまでのルートになる。
特徴としては、
◆中国山脈の中を走るためアップダウンの坂が多い
◆さらにカーブが左右とも大変多い
距離は最短ながら、上り下りの坂道と左へ右へのカーブのコンボが連続するので、運転していて神経をすり減らし、精神的に疲れる。
2013年10月には芸能人男性が中国道を運転中に事故死したし、他にも事故が多発している危険なカーブや坂道が幾つかある。
▲ ここ10年ほど、私が鳥取へ帰省する際は山陽自動車道を経由するルートにしている。上の地図だと、点線部分を含めたオレンジの線は中国道で、赤い線の部分が山陽道。
特徴としては、
◆アップダウンはほとんどない
◆キツいカーブもなく、直線が多いので走りやすい
◆トンネルがやたらと多い(4km以上の長いトンネルも幾つかある)
◆宮島SAに行ける
中国道は障害物となる山脈を避けるためにカーブが多発するが、一方の山陽道は直線を保つためか障害物となる山はトンネルを掘っている。
遠回りにはなるが、アップダウンも少なくカーブも少ないため結果的に減速することが少なく、到着時間は中国道のみを走るルートと比較してもそれほど変わらない。道幅も中国道より若干広いので精神的にも安心する。
また、山陽道の宮島SAは高速利用者に大人気の大きなサービスエリア。以前は広場に子供用の遊具もあったし(現在はスターバックスが建っている)、広島風のお好み焼きなどお土産をここで購入もできる。
天気が良ければ展望台から瀬戸内海の美しさを堪能できるし、望遠鏡を使えば厳島神社も見つけることができる。駐車場も広く(それだけ利用者も多いが)、山陽道を走る時は必ず立ち寄るSAである。
こうやって書くと山陽道を経由したほうが断然良いように見えるが(実際、私は良いと思ってるので最近は山陽道経由ルートしか使っていない)、運転するドライバーの好みの問題もある。
少々カーブが多くても距離の短いルートがいいという人もいるだろうし、暗くて圧迫感のあるトンネルを運転するのが苦手(あるいはキライ)な人、直線道路ばかりだと単調なので眠くなってしまうという人もいるだろう。そういう人は山陽道を経由せず中国道だけのほうがいいのかも。
最後に、山陽道を経由する場合にどう進めばいいのかは以下のとおり。上から順に、九州から広島・三次東ICまでのルートを記載している。
→ 下関JCTの分岐では中国道方面に進む
※ここで山陽道方面に進んでしまうと宇部市に行ってしまう。ここではない。
→ 中国道・小郡ICを通過後、次の山口JCTの分岐で山陽道に進む(いったん中国道とお別れ)
※そのまましばらく直進して山口県を横断し、広島県に入る
→ 廿日市JCTの分岐では山陽道方面に進む
※「広島岩国道路」に進むと厳島神社や広島市街地に行ってしまう
→ 宮島SAを通過後、次の広島JCTの分岐で左に折れて「広島自動車道」へと進む
※山陽道を直進すると尾道市に行ってしまう
→ 広島北ICを通過後、次の広島北JCTから中国道に再び合流、岡山・大阪方面へと進む
※合流の際、山口方面に進むと逆方向なので注意
→ 千代田JCTの分岐では中国道方面へと進む
※浜田道に進むと浜田市に行ってしまい遠回りとなる
→ 三次ICを通過後、次の三次東JCTの分岐で左に折れ、松江道へと進む
※右に折れると尾道道なので注意
りくま ( @Rikuma_ )的まとめ
必ずしも「中国道は危険だから行かないようにしよう」と言ってるわけではない。
山陽道でも事故は多発している。2016年3月には山陽道のトンネルで渋滞している車列に後方からトラックが突っ込み10人が死傷するという事故も発生した。
ついつい油断したりスピードを出し過ぎてしまった結果、渋滞や故障者など前方の異変に気付かずブレーキも間に合わず事故を起こすというケース。
特に天候が悪い時や夜間の走行になると見通しは著しく悪くなるため、どこの高速道路を通行するにしてもドライバーは細心の注意を払わなければならないことに変わりは無い。
せっかくの楽しい車旅。無理しないペースで快適に、そして安全に目的地まで辿り着きたいものである。
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