都の入札制度見直し 批判相次ぐ

東京都の小池知事が進める入札制度の大幅な見直しについて、25日都議会の委員会で質疑が行われ、競争性を優先するあまり、不当なダンピングや工事の品質の悪化などを引き起こす恐れがあるなどとして、批判が相次ぎました。

東京都は公共工事の入札制度について、競争性を確保し税金を賢く使うためとして、大型工事で最低制限価格を撤廃するなど大幅に見直すことを決め、今年度から試験的に導入する予定です。
この見直しについて、25日開かれた都議会の財政委員会で批判が相次ぎました。
この中で、不当なダンピングを防ぎ工事の品質を確保するために設けていた最低制限価格が撤廃されることについて、自民党は「最低制限価格は安かろう悪かろうを防ぎ、中小企業を育成しようというもので、この理念が守られるのか危惧せざるを得ない」と批判しました。
また、入札した業者が1社だけの場合は競争性に疑念がもたれるとして入札を中止し、やり直すことについて「入札をやり直せば工期が遅れ、遅れを取り戻すためには工賃を引き上げなければならない」と指摘し、制度の見直しは税金の賢い使い方に反すると批判しました。
今回の見直しをめぐっては、都側が中小企業の育成など多様な価値観が損なわれると懸念を示したのに対し、小池知事が起用する外部の有識者らが競争性の確保を優先すべきだと主張し、導入が決められています。
25日の質疑では、こうした政策決定の経緯を踏まえ、自民党、公明党、共産党から「業者の意見も聞かずに制度を突然、変えていいのか」「机上の空論で現場に混乱をもたらす」などと批判や懸念が相次いで示され、このうち自民党は制度の見直しを主張した外部の有識者を参考人として呼んで、詳しい質疑を行うことを求めました。