NIの「KOMPLETE KONTROL S88」を購入しました。
これ↓
早速届いたので、S88のピアノタッチについてレビューしていきます。
と言うのも、これですね、Twitter とか見てても気になっている人かなり多いんですよ。なんせ店に展示してあるところが殆ど無いんです。
だいたいS25、S49、S61なんですね。
んでしかもクソ高いじゃ無いですか、失敗は許されないわけですよ。
で、セール狙ってたらポイントバックで実質76000円だったので思い切って買いました。箱潰れのアウトレットだったんですけど全然潰れてね〜こんなの潰れたうちに入らんわ!! と言うことでお買い得でした♪
ではちょっとだけ書いていきますね。
目次
はじめに
最初に断っておくと、ご存知このキーボードは「MIDIキーボード」なんですね。
やっぱりピアノじゃないんです。
ひと昔前ならピアノタッチとしては相当良い部類に入ってますけどね、もう今ではすごいのがワンサカ出てますから。
やっぱその許容範囲を確かめたいし、どうなのかが気になる人多い、それ本当に分かります。MIDIキーボとしては値段高いから失敗したく無いですもん。
で、ハッキリ言ってしまうと、グランドピアノや Roland のV-Piano、RD-700NX、A-88 などのアイボリーフィールを使用している方は結構落胆すると思います。
タッチが浅いですね。あと癖あります。
エスケープメント (コクンと沈むクリック感、無音) もありませんので、上記の機種と比べると足元にも及びません。
最初弾いた時、私もアイボリーフィール、エスケープメント基準だったので「しまった、失敗したわコレ(汗」一瞬そう思っちゃいました。
ただ、普段から88鍵使ってるけど、ピアノタッチはそこまで重視してないという人は普通に弾きやすいとは思います。
ステージピアノではなく、あくまで MIDIキーボードとしてならトップレベルだと思います。
鍵盤のエイジング
シンセタッチは別として、ピアノタッチの鍵盤は弾きこむほどに鍵盤のハンマーアクションがライトになっていきます。
何年も長くそれなりに弾いていけば、いずれ弾きやすくなります。
ただ、それまで辛抱強く付き合わなければなりません。
私は RD-700NX をマスターキーボードで作曲、ピアノ練習用で使用していましたが、ピアノって最初新品で買うと結構弾きにくいんですよね。
タッチは良いのですが、黒鍵と白鍵の表面ですね、サラサラなんですよ。これがかなり滑るんです。
このピアノを5年ほど弾きこみましたので、手の油や細かな傷によって表面のサラサラ感は殆ど無くなり、特によく弾く中域あたりの感触は最高です。
タッチもタランタランで相当弾きやすい状態で・・・が!
やはり、これとたった今届いたばかりの KOMPLETE KONTROL S88 を比べると完全に S88 が負けなんです。
てか比べるもんじゃ無い、けど比べてしまいます現段階では。
これはまず仕方がない。
ピアノ奏者視点を捨てる必要がある
S88 は「MIDIキーボード」です。はい、2回言いました。
おそらく、ハナっからS49やS61で良い、と思っている人は相当幸せです。
ギタリストや、ピアノ出身でない人、ピアノタッチで88鍵じゃ無いとヤダ、61でも良いけど、やっぱどうせなら88が良い・・・
何回考えてもそこに行き着いてしまう人、いますよね (はい私)
と言う88鍵が良いと言う呪縛から解き放たれた位置にいる人たちは本当に最高。悩まなくていいから。
話を戻して、
もう一度、S88 は「作曲用のコントローラー」なんだと再度確認。
ピアニスト、ピアノ志向のキーボーディストは10万払うと考えるとあまりにタッチだけ重視し過ぎると満足できないかもしれません。
何のタッチと比べるかにもよりますが、グランドピアノのタッチとは到底程遠いので、何でもかんでも「グランドピアノのタッチに相当近い」とかよく書いてある記事を鵜呑みにすると肩透かし喰らいます。
私も少し考え方を変えて、S88 を MIDIコントローラーとして使っていくなら、そう言う「ピアノ出身的な価値観」は捨てた方がいいと思いました。
もし試弾せずに買うなら、作曲をするための入力用装置がメインで、ある程度ピアノタッチの感触がよければグッド、くらいに思った方が気が楽だと思います。
S88 の最大の売りである、作曲用の機能が抜群なことは言うまでもありませんので、あとはエイジングに期待して弾きこみましょう。
ピアノタッチ重視の人
例えば、作曲はするけどバンドのデモ、シンガーソングライター的な使い方、ピアノタッチが良い、みたいな価値観であれば、機能よりも自分が好きなタッチのキーボード選んだ方が良いと思うんですよね。
Nord Stage や Nord Piano、最近出た RD-2000 など、KORG の RH3 の方がタッチは深め。
タッチの好みは人それぞれなので、もちろん S88 のタッチも好きなら問題ありませんし、作曲で使っていくなら結局はフィジカルコントローラーがメインになりますし、ライトガイドや KOMPLETE を使う人が目的だと思います。
ちなみにライトガイドはぶっ飛んで最高で、しかも88鍵で88コ光るので圧巻。
イルミネーション的な謎のテンションは相当上がります。
そこだけは安心して良い。
すでに自分が弾きやすい鍵盤を持っている人で上記のような使い方なら、無理して買い換える値段ではないかなと思いました。
対応してる音源バリバリ使うなら別ですが。
作曲視点で考える場合
作曲していくなら、どの音源をいつも頻繁に使うのかが大事ですよね。
あくまで KOMPLETE をハードのように扱える、と言うのは売り文句なので、実際に自分のスタイルにハメて、目に見える効率まで高めるには時間がかかると思います。
想像だけでなら「これ最強」って思えてしまうんですけどね。
やっぱりノブをグリグリして遊んでしまったり、ただすごいと思うだけで止まっていたり、音色を選んでばっかりでは作業に変化はあれど、特に何も変わらないわけですね (はい私)
どう言う使い方をしていくのかを、まず一つでも良いから習慣化すべきかなと。
で、そういう視点で考えていくと、まず曲作るならピアノタッチが微妙とかそんな悠長なことボヤいてる場合ではないんです。
そのくらいのことで売るか使うか迷っているなら売った方が良い。
・・・!? あ、ついさっきまでの俺だそれ(汗
サーセン。
だから、ピアノ奏者じゃなく作曲者なんだ、全ての音色を操るんだ、ピアノだけじゃないんだ、って言い聞かせてものすごくデカイスケールで物事を考えて行こう。
んなチッセーことで手を止めるなボケ!!
どうですか、買う気になってきたでしょう?(^o^)/
で、3日ほどガンガンにピアノ弾きまくって当方の身体を S88 にシフトさせてやろうかと思いまして、ピアニシモ、フォルテッシモ、アレヤコレヤまぁー弾きまくり・・・
良いじゃん!FATAR製のピアノタッチ、徐々に吸い付いて来た!!
やっぱ結局「慣れ」ですかねぇ。
多分2年くらい使って機能もモノにしたら最強になるよこれ。
買って気に食わんなぁ〜って思ったら、まず汗ダクになるまで弾きましょうか。
それでダメならダメ。はい。
最後に
結論から言うと、最初は失敗したと思いました。
でも、ピアノ出身とかのこだわり思考をチェンジしました。
これを使って、もっとデカイスケールで機能を操っていくんだ俺は!! 的な勢い大事っす
タッチは割り切りましょう、てか色々書きましたけど普通に抜群ですからね。
ただ間違いないくグランドピアノとは程遠いので、そう言うレベルは求めない方が良いです。それ求めるなら、Roland か YAMAHA のステージピアノのフラッグシップ買ってください、って感じです。
個人的には kurzweil K2600X みたいなのイメージしてたけど全く違いましたね…。
RH3 と重さは同じくらいでタッチは浅め、なイメージかな。
S88 の鍵盤のレビュー全く無いので、少しでも参考になれば幸いです。
その他の機能については、また別記事で書きたいと思います。