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上峰副町長不在1カ月 異例の病欠、復帰見通せず

2016年07月28日 11時11分

町役場の副町長室前にある在室かどうかを示すプレートは、「不在」のままになっている=上峰町役場
町役場の副町長室前にある在室かどうかを示すプレートは、「不在」のままになっている=上峰町役場

◆診断書郵送本人連絡なく 町長、文科省と対応協議

 国の地方創生人材支援制度を活用し、文科省から三養基郡上峰町の副町長として出向していた松井佳奈江氏(36)が6月28日に東京へ出張したまま、体調不良を理由に町に戻らなくなって1カ月が過ぎた。異例の長期病欠による不在となっているが、町には今も直接の連絡はなく、復帰のめどは見通せていない。武広勇平町長は文科省と交代させるかどうか協議を続けている。

 今月19日、文科省人事課から町へ松井氏の診断書が郵送で届いた。町総務課は「個人情報のため詳細は言えない」とした上で、診断書には「全治○カ月」のような回復にかかる見込み期間の表記は見当たらないという。「病休扱いにしているが、いつまで休むかは先が見えない状態」で、いまだ本人から休暇願などの連絡はない。

 副町長が出席予定の会合には各担当課長が代理を務め、決裁は副町長の欄を空白にしてまっすぐ町長に通すことで対応している。

 21日が給料支給日で、副町長職の7月分給料として58万9000円から税金などを引いた額を支給した。7月は一度も登庁していないが、「特別職のため出勤簿や年休もなく、(減額する)規定もない」と総務課。

 昨年度始まった国の地方創生人材支援制度は2015年度に67人、16年度に58人の国家公務員や大学研究者らが全国の自治体へ派遣されている。内閣府地方創生推進室は「聞いている限りでは(上峰町のような)事例はない」という。

 文科省人事課は松井氏の健康状態に関して「療養中で完治までの見込みは分からない」と説明、対応を町長と協議しているものの「具体的に決まっていない」としている。出向者の長期病欠について担当者は「できれば職員が力を発揮するのがベストだと考えているが、大前提として健康状態が良好であることが必要。今回はそれを優先したいという思いがある」と話す。

 東京出張中の武広勇平町長は佐賀新聞社の取材に、25日に文科省の担当者と直接会って協議したことを明かした。「副町長の体調を考慮して考えないといけないので、迅速な対応が難しい。(不在でも)業務はできるだけ支障がないよう努めている。復帰できるかどうか方向性は徐々に出てきており、現在は最終的な詰めの協議中」と述べるにとどめた。近く議会に対応を説明する。

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