ふるさと納税競争過熱、サイト上位表示「ルール違反」 上峰町に抗議相次ぐ
全国の自治体による「ふるさと納税」獲得競争が過熱する中、返礼品を紹介する人気ウェブサイトの掲示をめぐり、三養基郡上峰町に自治体担当者を名乗る人物から抗議が相次いでいる。上峰町がサイトで目立つ上位掲載を目指し返礼品情報の更新を繰り返していたところ、「新商品ではなく、運用ルール違反」と指摘を受けた。町幹部は「他の自治体もやっていることで、営業努力の一環なのに」と困惑している。
上峰町は9月4日、それまで11品目だった返礼品を60品目に拡充した。同時に、全国600自治体の返礼品を紹介している人気サイト「ふるさとチョイス」の利用も始めた。
サイトは内容を更新すれば品目別の最初のページに表示される。町は出遅れをばん回するため、一日複数回、画像や紹介文を替えて返礼品を更新し、サイト上位に掲載されるよう取り組んでいた。その結果、1週間で約2千万円の寄付が寄せられた。
ところが、この手法に対し、匿名の自治体関係者を名乗る電話が複数あり、「魅力ある返礼品になるよう創意工夫して新しい品を開発し、最初のページに表示されるよう努力している。同じ品を更新する上峰町のやり方は運用ルール違反ではないか」と問題視していたという。
「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク(東京)は「新しい商品を更新するのは良いが、内容を少し変えた程度では基本的に控えていただきたい。ただ、禁止事項とまでは言えない」と話す。同社ではシステム上の“裏技”の使用を控えてもらおうと、会員用ページで「警告」という形で周知しているという。
町によると、ページ上位の数十品目が上峰町で占められることがあったといい、「最近は4、5品目の更新にとどめている」と配慮を見せている。 今年1月に各自治体に高額返礼品の自粛を要請した総務省は「ふるさとへの思いを寄付金として届けるという制度の趣旨に反することはせず、常識ある対応をお願いしたい」とくぎを刺している。
2015年9月26日 12時04分
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