北朝鮮が大規模な砲撃訓練「米の息の根止める」

北朝鮮が大規模な砲撃訓練「米の息の根止める」
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北朝鮮は、朝鮮人民軍の創設85年になる25日、東部で大規模な砲撃訓練を行ったほか、外務省の談話で「核武力でアメリカの息の根を止める」と威嚇し、トランプ政権の圧力には屈しないという立場を強調する狙いがあると見られます。
韓国軍の合同参謀本部は、25日、北朝鮮が東部のウォンサン(元山)付近で大規模な砲撃訓練を行ったと明らかにしました。

韓国軍の関係者によりますと、訓練には、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が立ち会ったと見られ、長距離砲など300門から400門が投入されていて、「過去最大規模の砲撃訓練だ」としています。

また、北朝鮮外務省は25日、アメリカのトランプ政権に対する報道官の談話を発表し、「アメリカが刃を抜いた以上、われわれは決着をつける。核武力を中心とする強力な武力でアメリカの息の根を止める」と威嚇しました。

さらに談話では、国連の安全保障理事会で今月28日、北朝鮮の核やミサイルの問題を話し合うための閣僚級会合が開かれることにも触れ、「一触即発の朝鮮半島の情勢下で、全面戦争の導火線に火をつけるのと同じ危険千万な行為だ」と非難しました。

25日は、朝鮮人民軍の創設から85年の節目にあたり、北朝鮮としては、トランプ政権の圧力には屈しないという立場を強調するとともに、北朝鮮への対応をめぐる国際社会の連携をけん制する狙いがあると見られます。

東京の中国大使館 関係国に自制を呼びかけ

北朝鮮が、25日、軍の創設85年の節目を迎え、核実験などに備えて関係国が警戒を強める中、東京の中国大使館の報道官は25日の記者会見で「関係国は、冷静さを保ち朝鮮半島の緊張をエスカレートさせる行動を取るべきではない」と述べ、改めて関係国に自制を呼びかけました。

この中で、中国大使館の張梅報道官は「朝鮮半島問題は、複雑かつ敏感で、高度な緊張状態にある。関係国は、冷静さを保ち、朝鮮半島の緊張をエスカレートさせる行動を取るべきではない」と述べ、アメリカや北朝鮮など各国に自制を呼びかけました。

また、張報道官は、「北朝鮮が核とミサイル活動を停止し、アメリカと韓国も大規模な軍事演習を停止することで現在の安全保障上の苦境から脱することができる」と述べ、対話と協議を通じて問題の解決を図るべきだとする考えを改めて示しました。