「違法民泊物件の削除はしない」エアビーアンドビーが持論を展開

  • 2017年2月28日

持論を展開する山本公共政策担当部長

 エアビーアンドビー・ジャパン(Airbnb Japan)は2月21日、東京・西新宿の同社オフィスで「日本における公共政策の取組みについて」と題する記者説明会を開き、同社公共政策担当部長の山本美香氏が同社の持論を展開した。

 民泊新法(住宅宿泊事業法)案で、民泊について「人を宿泊させる日数が1年間で180日を超えないもの」と定義されていることに関連して、山本氏は「Airbnbは昨年12月1日のオランダ・アムステルダム市との合意により、ホストが民泊サービスを提供できる日数を年間60泊に制限し、超過するとサイト上で物件が表示されない仕組みを構築。同市内のリスティングに『日数カウンター』を設けている。同じ仕組みを日本でも提供する用意がある」と述べた。

 同氏はまた「アムステルダム市では、適用される宿泊観光税5%の代理回収もAirbnbが行っており、東京・大阪など対象となる自治体からもしご要望があれば同様にご提供が可能だ」などと説明した。

 これに対して、出席した報道陣から様々な質問が出された。

 大手新聞の記者は「物件所有者が複数の民泊予約サイトに登録している場合には、チェック機能に実効性はないのではないか」と質問。同氏は「Airbnbは、その中で最大限努力する」と回答した。

 また「それでは、各自治体が設ける上限日数を順守させる名目で、日本国内の民泊宿泊予約市場の独占を狙っているのか」という大手経済誌の記者からの質問には、「他の会社を排除してほしいという意図はない」と答えた。

 別の大手新聞記者からの「民泊新法が通ると、現在のホストの多数が違法状態になることが想定されるが、リスティングから削除するのか」という質問には、「新しいルールをホストに伝える努力はする」と回答。違法状態を事実上放置する考えを示した。

 本紙記者は「Airbnbでは予約が完了しないと宿泊先の場所が開示されず、宿泊予約サイトとして不備がある。民泊新法が成立すれば、日本国内のリスティングだけでも物件の位置を事前表示する考えはあるか」と質問。これに対しては「ホストのプライバシーを尊重しなければならない」と回答し、ホストとゲストで成り立つ民泊の概念では理解しにくい独特の考えを示した。

 

持論を展開する山本公共政策担当部長

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