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埋め立て着手…沖縄の反発必至

辺野古沿岸部を埋め立てる護岸工事が開始され、工事中止を訴える反対派の人たちの前で海岸へ投入される石材(中央)=沖縄県名護市で2017年4月25日午前9時19分、矢頭智剛撮影

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画で、防衛省は25日、埋め立て工事の第1段階となる護岸工事に着手した。埋め立て区域の外枠を造るもので大量の石材を海底に積み上げる。工事が進めば周辺海域の自然環境の原状回復は難しくなる。防衛省は完成させた護岸内に今年度内にも土砂を投入する方針で、5年間で代替施設の本体工事完了を目指している。1996年4月の日米両政府による普天間飛行場返還合意から21年を経て、政府が沖縄の反対を押し切って初めて埋め立て作業に入り、移設問題は重大な局面を迎えた。

     移設に反対する沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は徹底抗戦する構え。前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回や工事の差し止め訴訟を起こす方針を示している。だが、政府は撤回に対して代執行の手続きを取るとみられ、一連の対抗策で工事をどれだけ止められるかは不透明な情勢だ。

     72年の本土復帰後初めての大型米軍基地建設が日本政府の手で大きく動き出したことになり、沖縄側の反発がこれまでになく強まるのは必至。知事周辺には移設反対の民意を改めて示すため、県民投票の実施や知事選(来年秋予定)の前倒しを求める声もある。

     防衛省沖縄防衛局によると、25日午前9時20分ごろ、埋め立て区域の米軍キャンプ・シュワブ北側付近の海域に石材をクレーンで投下する作業を始めた。今後、埋め立て区域はいくつかの護岸で仕切られ、護岸が完成した場所から内側を土砂で埋め立てていく。シュワブ沿岸部に建設予定の代替施設の面積は約205ヘクタールで、うち約160ヘクタールを埋め立てる。土砂2062万立方メートルを投入する計画で、県外からも土砂を搬入する。

     2015年10月に翁長知事は埋め立て承認を取り消したが、政府は辺野古の本体工事を陸上部分で開始。16年3月に政府と県の裁判が和解して工事は中断したが、その後の新たな訴訟で県側敗訴の最高裁判決が16年12月に確定。翁長知事が承認取り消しを取り下げ、「辺野古が唯一の解決策」とする政府は同月から工事を再開した。埋め立てに必要な県の岩礁破砕許可は3月末で期限が切れたが、政府は地元漁協が漁業権を放棄したのを理由に「許可は不要」として作業を継続。県は許可を得るよう求めている。【佐藤敬一】

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