MAMA'S LIFE Vol.6〜森貴美子さん〜

連載  2017年04月03日 全4回

森貴美子さん 私も娘に教わることがたくさん。悩みながら日々進化しています ~mama’s LIFE Vol.6 第4回~

赤ちゃん時代も大きくなっても、ママは悩んで泣いて笑って、一歩ずつ前へ進んでいくもの。2012年に出産し、現在5才になる女の子のママとして奮闘する森貴美子さんも、壁にぶつかり、ときには自問自答しながら家族とのあたたかい毎日を送っています。「mama’s LIFE」森きみさん最終回は、5才のお子さんをもつママならではの悩みや、「スーパーイクメン」ともいえるダンナさんとのエピソードをお届けします。


子どもへのしつけは、親がまず行動することを意識

「新生児のころは『健康であればそれでいい』と思っていたけれど、だんだん成長するにつれ、親としてはそれ以上を望んでしまうもの。やはり人として、あいさつや行儀など基本的なことはしっかり身につけてほしいと思っています」

この4月で5才になったばかりの娘さんの子育てにおいて、最近、「伝え方」が変わってきたといいます。森きみさんが意識しているのは、言葉で伝えるよりも、まずは親がその姿勢を見せる、お手本となる行動をすること。

「保育園へ登園するとき、大きな声で『おはよう!』と言っていた娘が、あるときから恥ずかしくなったのか、言わなくなったことがあったんです。はじめは私も『おはよう、って言うんでしょ?』と言葉をかけていたのですが、あいさつって、無理矢理言わせるものではないと思ったんですね。そこからは私が率先して『おはよう!』『おはよう!』と、お友だちにたくさん声をかけるようにしました。そうして、朝は元気にあいさつすることを体現しているうちに、娘もまたあいさつをするようになりました。言葉で『ああしなさい』『こうしなさい』と言うことも大事ですが、親がお手本となるような行いをしなくちゃいけませんね」

娘が感じている素朴な疑問、その答えに悩むことも……

体の成長や発達がめざましい赤ちゃんのころにくらべ、今はもっぱら精神面での成長を感じることも多々。さまざまなことに疑問を持つようになり、その回答に森きみさん自身が考え込んでしまうこともあるといいます。

「4才を過ぎたころから世の中のいろいろなことに興味を持ち始めたようで、この前突然、『死ぬってなに?』って聞かれたんです。何かに疑問を感じると、自分が納得するまで質問してくるんですね。これまでは『◯◯ってなに?』と聞かれてもなんとなくごまかせていた部分もあるのですが、それでは娘も納得しない。ちゃんと答えなきゃと思っています。でもきちんとわかりやすく説明するのって、本当に難しいですね」

その反面、娘さんの空想の世界や創造性も大切にしたい考えも。親としてはどんな言葉を選ぶのかも、大きなポイントです。

「たとえば絵本の世界では、クマさんは2足歩行して服を着たり料理をしていたりするけれど、リアルなクマはそうではない。そういったファンタジーと現実が今はごっちゃになっていて、不思議に思うことがたくさんあるようなんです。親としては子どもの夢をこわさず、でも現実的なことも伝えていきたいけれど、どんな言葉がいいのか悩んでしまうこともあります」

パパのほうが「ママっぽい」!? ときには意見がぶつかってしまうことも

娘さんが誕生してから、毎日成長写真を撮っているというご主人。「マメで小さなことにもよく気づいてくれる」といい、周囲にも「育児は何でもできるパパ」として有名です。

「ふだんのお世話もそうだし、保育園の送り迎え、寝かしつけ、絵本を読んだり、習い事のピアノの練習を見たり。昔から母乳をあげる以外の育児は全部できているんじゃないかなと思います。私のママ友ともよく育児話しをしているし、ママとのおつきあいも全然平気なタイプです。ママ友が『うちのダンナって、◯◯なのよ~』とちょっとした不満を口にすることがあるじゃないですか、それを聞いて『あっ、同じことを夫に言われている』と思ったりします(笑)」

家族でのおでかけドライブでは、森きみさんが運転を担当。後部座席でご主人と娘さんが遊んでいるのが定番スタイルなのだとか。

「長時間のドライブになると娘もだんだん飽きてくるのですが、そんなときもDVDの力は借りず、娘がやりたい遊びにとことんつきあっています。お絵かきをして、それに飽きたらおままごとをして、しりとりをして……と、夫も娘も『もう限界!』となるまで一緒に遊んでいます。

基本的に娘に対しては甘いけれど、娘がまだ赤ちゃんのころから夫は、娘に対していわゆる『赤ちゃん言葉』のようなものは一切使っていませんでしたね。まだ娘はわからないだろうことも、大人に説明するように一生懸命伝えていました。そういう姿を通じて、娘を人として尊重しているなと感じています」

「もっとパパにも育児参加をしてほしい」。そう感じるママが多いなか、森きみさんのご主人はその逆。とてもうらやましい限りですが、積極的に取り組んでくれるぶん、夫婦で意見がぶつかることも。

「離乳食を始める時期については夫婦で意見が割れ、とことん話し合いました。夫には、娘が新生児のころから読んでいる育児書があるんですけど、学者さんが書いたような本格的な「子育て論」の本なんです。そこに書かれていることをとても大事にしていて、私が参考にしている育児誌には、『離乳食は生後6カ月を過ぎたら様子を見ながらあげましょう』と書いてあるのに、主人が読んでいるその本には『離乳食は1才を過ぎてから』と書かれているので1才まであげない、と言われてしまって……。お互いの意見が平行線のまま生後半年を過ぎ、同じ月齢の子たちで開始していないのはうちだけに。『みんな始めているし、よく食べているみたいだよ』と主人を説得し、なんとか8~9カ月からスタートしました」

意見のぶつかり合いもあるけれど、子どもの父親として、自分にはないものを持っていると感じている森きみさん。その根底には尊敬と感謝の気持ちがあります。

「夫の育児風景を見ていると、『私はそこまでできないな』と思うこともたくさんあります。とくに子どもと、とことん遊んであげることなど、私はなかなかできないなと思います。そのおかげかもしれませんが、娘は誰かと一緒に遊ぶことが大好き。お友だちともよくあそんでいるし、社交性もあるので、夫にはありがたいなと感謝しています」


PROFILE
森貴美子さん

1980年12月4日生まれ。神奈川県出身。1999年、17才のときに雑誌『non-no』モデルとしてデビュー。以後12年間、専属モデルとして活躍。その後は『mina』『mini』など多数のファッション誌に登場。2010年4月に結婚、2012年4月に第一子となる女の子を出産。現在は『LEE』『nina’s』『HugMug』などママ向けファッション誌で活躍。2017年4月25日には書籍『森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和』(発行:文藝春秋)が発売。Amazonでも好評受付中。http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163906256

森貴美子さんオフィシャルサイト

http://www.incent.jp/idea/model/mori_kimi/

公式ブログ http://ameblo.jp/morikimi-morikimi/
撮影/摂津貴裕(biswa.)ヘア&メイク/MAKI(P-cott)取材・文/長澤幸代

発売中! :森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和※情報は掲載時のものです

この連載について

MAMA'S LIFE Vol.6〜森貴美子さん〜

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