朝鮮人民軍創設85年 ミサイル発射など関係国が警戒

朝鮮人民軍創設85年 ミサイル発射など関係国が警戒
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北朝鮮は25日、朝鮮人民軍創設85年の節目を迎え、これに合わせる形で、6回目の核実験やさらなる弾道ミサイルの発射を強行する可能性もあり、関係国は警戒と監視を続けています。
北朝鮮はキム・イルソン(金日成)主席が1932年に中国東北部で抗日遊撃隊を組織したとする4月25日を朝鮮人民軍の創設記念日と定めていて、25日に85年の節目を迎えました。

これを前に24日、首都ピョンヤンでは記念の中央報告大会が開かれ、パク・ヨンシク人民武力相が「アメリカと追従勢力を粉砕するわが軍の超精密化された威力ある攻撃手段は、すでに実戦配備されている」と演説して、アメリカとの対決姿勢を強調しました。

北朝鮮はアメリカ軍の空母カール・ビンソンを中心とする艦隊が朝鮮半島周辺に向かっていることについて連日非難していて、24日も国営メディアが「敵が挑発してくれば、せん滅的な攻撃を加える」と伝え、武力行使も排除しない姿勢を示しているアメリカのトランプ政権を強くけん制しました。

北朝鮮は去年、記念日に合わせる形で緊張を高める行動に出ており、キム主席の生誕記念日にあたる4月15日に中距離弾道ミサイル「ムスダン」を初めて発射したほか、建国記念日の9月9日には、5回目の核実験に踏み切りました。

このため関係国は北朝鮮が25日、6回目の核実験やさらなる弾道ミサイルの発射を強行する可能性もあるとして、警戒と監視を続けています。

去年は記念日にミサイル発射や核実験

北朝鮮は過去、重要な節目と位置づける日を数日後に控えたタイミングで、核実験や弾道ミサイルの発射を強行してきましたが、去年は記念日の当日に行いました。

このうち、キム・イルソン主席の生誕記念日にあたる4月15日には、射程が最大4000キロで、アメリカ軍の基地があるグアムに達すると見られる中距離弾道ミサイル「ムスダン」の初めての発射に踏み切りました。

また、建国記念日の9月9日には5回目の核実験を強行し、「アメリカをはじめとする敵対勢力の脅威と制裁への対応措置の一環だ」と主張して、引き続き核開発を推し進めていく姿勢を強調しました。

ロシア外務省次官「緊張激化を許さない」

北朝鮮情勢をめぐって、ロシア外務省でアメリカとの関係などを担当するリャプコフ次官は24日、国営通信に対して、「ピョンヤンでどのような記念日を祝おうと、ロシアの立場は緊張の激化を許さないというものだ」と述べ、北朝鮮に核実験や弾道ミサイルの発射を強行しないよう求めました。

また、アメリカが朝鮮半島周辺に空母を中心とする艦隊を向かわせていることを受けて、「アメリカや地域の各国に対して、最大限に自制し、冷静に対処するよう呼びかける」として、アメリカや韓国、日本に対しても過剰に反応しないよう求めました。

さらに、ロシア外務省のウリヤノフ軍備管理局長は「北朝鮮が国連安保理の決議に違反していることは正常ではなく、断固、非難されるべきだ」としたうえで、中国とともに関係各国に外交的な解決を求めていく考えを改めて強調しました。